あらすじ
この漫画、渋い…渋すぎる!!
早く仕事を終えて、一杯ひっかけたい。あぁ、仕事帰りに酒を飲みながら大好きな古本と触れ合えたらどれだけ楽しいだろうか。でも、そんなの夢のまた夢…ではない。サラリーマンの願いを叶えてくれる屋台が、夜中になるとどこからともなく現れる。働きすぎの現代人にとってのオアシス――そう、それが「古本屋台」。
松本隆『風のくわるてつと』、李家正文『厠風土記』、海野十三『火星魔』など、古書好きにはたまらないチョイスの連続。本と酒を愛するひとりのサラリーマンもまた、古本屋台にどっぷり浸かっていく――。
文字通り、屋台で古本を売っているこの店は、オヤジが一人で切り盛りしている。珍本奇本が揃う、マニアにはたまらない店だ。
<古本屋台のルール>
1 白波お湯割り一杯100円。おひとり様一杯限り。おかわりNG
2 ヘベレケの客に酒は出さない
3 騒がしい客には帰ってもらう。ウチは飲み屋じゃない、本屋だ。
……ルールはとにかく、オヤジ次第だ。
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Posted by ブクログ
本好きの人なら、絶対に飛びつく設定、古本の屋台。フォローさせて頂いている方のレビューを読んでずっと読みたくてやっと入手。ちょっと小心者のおじさん(脳内では孤独のグルメの最後のコーナーに登場するこの本の作者でもある久住さんに変換されている)がなんやかんや言いながら意気揚々と古本屋台に通う様子が微笑ましく描かれている。
主に屋台でのやり取りなんだけど、おじさんの日常が描かれている場合もあって、公園で昼間に缶ビールぷしゅっとやった瞬間に「あーあやっちゃった」って台詞とか、面白い。気持ちわかるー。やっちゃったといいつつ、最高に楽しい気分なのだろう。厳選した文庫本を持ちこんで安宿で2泊3日、終わってみれば一冊も本を読んでないとか、最高のオチ、面白い。屋台のおやじがいけすかない客に注意すれば、いいぞいいぞと心で応援し、焼酎一杯しか出してもらえないルールだけど、おやじさんの気分でみそつききゅうりをもらって大喜び、かわいらしいおじさんの心の中の(普通に態度にも言葉にも出てる時もある)一喜一憂がおもしろくて仕方がない。にやにやしながら読んでしまうので、家でちょっと手のあいた夜の時間に読む。なぜ夜の時間なのかは、お酒を相棒に読みたくなるから。ジンのロックとか、ワインとかちびちびやりながら読むのが最高に良い時間かもしれない。この一冊でなんか満ち足りた幸せな気分になれるんだから、本って素晴らしい娯楽だなと思う。
最後の方の四コマ漫画のアネコダもとっても面白かった。アネコダってそういう意味かとわかったときに面白さが倍増した。