あらすじ
俺、月見里司は高校生で漫画家志望。大人気の漫画誌、週刊コメットの漫画賞で最終選考まで残った経験もあり、今日も今日とて漫画部部室で、デビューを目指してネームを悶々と考える日々……なのだが、異様なまでに打ち切り漫画を愛好している部の後輩の小鳥遊がいつもちょっかいを出してくる。「お前……結局趣味が悪いだけじゃねえか。デスゲームやってる貧乏人を、金持ちが安全圏から見て楽しんでる感覚かよ」「ち、違いますよ! 私が求めてるのは散り際の美しさです! 土俵際の美学です! 敗者の生き様です!」「ただただ人間として面倒くさいな!」漫画同好会部室は、相も変わらず他愛のない会話で溢れている。【電子限定!書き下ろし特典つき】
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マンガ業界や打ち切り作品への熱い愛を語り合う、軽妙な会話劇が魅力の部室ダベりラノベ。
マンガ家志望の月見里司と打ち切りマンガ愛好家の小鳥遊が、放課後のマンガ部部室で繰り広げる掛け合いが楽しい。
後輩・小鳥の偏愛的マンガ批評に、先輩・月見が冷静にツッコミを入れるやりとりが絶妙。
正確には小鳥が好きなものとは──。
マンガ誌の巻頭を飾るような人気マンガではなく、巻末をウロウロしている“打ち切りと戦っているマンガ”なのである。
小鳥は「打ち切りレースをエンタメとして楽しんでいる性格の悪い読者」と自身を揶揄するが、決してそれらが打ち切られても構わないわけではなく、続いてほしいと願っているのだ。
そんな面倒な偏ったマンガ愛に、マンガ好きなら共感せずにはいられないのではないだろうか。
しかし彼女、ラノベには一切興味がなく「面白い作品はどうせコミカライズするから、それだけ読めばいい」というのだ。
これに対する月見のツッコミには完全同意。
ラノベはマンガの下位互換じゃねえわ!
感情タグBEST3
ネタバレはありません。