あらすじ
みんな、前世で出会ってた。作家・てにをはが紡ぐ、歌い手Adoの「前世小説」
波間を漂う少女アド…記憶をなくした彼女が目を覚ましたのは、人間界からはじきだされたオートロイドたちが暮らすエルゥエル島だった。
右も左もわからない中、オートロイドの少女、ウル、メイ、ラギ、オドと出会い、暮らすうちに彼女たちが「大切な存在」になっていることに、気づいていくアドだが…
時折よぎる記憶の断片…本当の私は一体誰?
そして運命はいやおうなしに争いに翻弄されていく
歌い手Adoの「前世譚」として、作家・てにをは氏が紡ぐパラレルワールド小説。カバーと中面イラストは、Ado自身がファンを公言している漫画家・イラストレータの宇佐崎しろ氏が描き下ろす。
デビューからの4楽曲「うっせぇわ」「レディメイド」「ギラギラ」「踊」がキャラクターとして新たに息づき、「アド」との絆が生まれていく感動ファンタジー。
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Posted by ブクログ
ギラギラやザムザ、ヴィランの"てにをは"と、残念ながら連載中止となったアクタージュの"宇佐崎しろ"(画)によるAdoの物語。といっても、原初の歯車(オーパーツ)をオートロイドに使い、心が宿ったロイドたちがいる世界のお話。
アドというロイドは記憶喪失で島の浜に流れ着いていた。アドは、ウルというロイドを修理できるロイドに拾われ、ロイドの島で暮らし始める。登場人物が全て本物のアドが歌った楽曲でかかれたアドの姿からイメージされるような性格や仕事や見た目(中扉に挿絵あり、本文中にはなし)をしていて、記憶喪失のアドと優しく関わる。
私は一体何者なのか、というアド視線で話は進んでいくが、この本の世界の方も語られながら輪郭が浮かび、そこも楽しめた。最後に高校生くらいの頃の現実アドが登場し、現世とリンクする。
表紙はかなり子どもにうけると思うが、字は小さく、ルビは中学生レベル。読めない子には結構厳しいかも。でも、しっかりした内容・語彙なので、活字から離れていく時期、この本に惹かれる読めるのに読まなくなった小中学生に特に読んでみて欲しい。