あらすじ
┣━━ 運命の恋が、いま始まる ━━┫
悪質な怪異を退治する一族の娘・明彩(めい)は、退魔の力がなく冷遇されて育った。一方、傲慢な弟は禁忌を荒らし、異界の王・涼牙(りょうが)を呼び起こしてしまう! その場に明彩は置き去りにされて……。
危機に陥る明彩だが、実は涼牙は穏やかで理知的な美青年だった。彼は明彩の秘めた希少な”癒やしの力”の価値を教え「俺の姫(もの)となれ」と彼女を誘う。涼牙の治める異界で明彩は力を発揮して尊重され、居場所をくれた彼に惹かれていく。
しかし、現世では家族が涼牙に罪を転嫁し、あろうことか異界への侵攻を企てていて――!?
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
虐げられる身から大切だと言ってもらえる存在に。
怪異たちの可愛らしさと鬼の優しさ。人の世界では無縁だったあたたかさが心に沁みる。
痛みを知っているからこそ強くなれる。悲しみを乗り越えたからこそ優しくできる。
当たり前の事を、忘れていた事を、そして大切な事を教えてくれる、素敵な物語でした。
また作者様の事が好きになった。ありがとう。
Posted by ブクログ
ヒーローと弟くんの主人公に対する想いのこの対比よ。
夜叉と恐れられる鬼ながら彼女を慈しんだ(それゆえに奥手になって後手後手に回ることもあるという不器用系)ヒーローと。
肉親ながら虐げられる主人公を見て、自身の心の均衡を保っていた弟くんと。
どちらがよりよい未来を得られたか、説明不要だろう。
退魔を生業とする一族に生まれながら、あやかしを癒す力を持ったがゆえに虐げられた主人公が、鬼のヒーローに見出されて自分の本当にいたい場所を見つける物語。
王道展開なので、ヒーローを狙うライバル女子が出てきてもヒーローにこてんぱんに振られたり、実は主人公とヒーローに以前から縁があったり、主人公が攫われてヒーローが助けに来たりと、安心して読める系。
先が読みやすいとも言えるかもだけど。
世界観が着物を着る時代の日本かと思ったら、ジーンズ履いているなど今時の服装が出てくるので、割と現代の模様。
そこは表紙絵とも作品全体の雰囲気ともギャップがあって、そこはユニークだった、