【感想・ネタバレ】金曜日の夜、騎士が玄関からやってくる【合本版】のレビュー

あらすじ

毎週金曜日の夜、一人暮らしのさゆりのもとに異世界の騎士が訪れる。なぜ彼女の部屋と異世界がつながるのか、なぜ訪れるのはいつも同じ騎士なのか、理由も仕組みもわからないながら、さゆりは彼を温かく迎え入れ、穏やかなふたりの時を過ごす。異世界の時間の流れはさゆりの世界とは異なり、訪れる騎士の年齢は毎週変化する。少年、老人、青年──さまざまな年齢の騎士が入れ替わり彼女のもとを訪ねては、去っていく。世界も時の流れも共にできないまま、互いに惹かれ合っていく二人だったが……。
重なり合う二つの世界とタイムパラドックスを紡ぐ異世界ファンタジー!
※本作品は「金曜日の夜、騎士が玄関からやってくる」(分冊版)の1~10巻を収録したものです。重複購入にご注意ください。

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パラレル&スペクタクル

綺麗な表紙絵と、良いのか悪いのかわからないタイトル乍ら、物語の切り出しは
いきなり現実社会のありがちなイチ風景から始まります。

詰まるところタイトルそのまま、集合住宅の1室で暮らす女性(ヒロイン)の部屋に毎週金曜の晩、
決まって異世界から同じ騎士が現れる。しかし都度騎士の年代が変わる。駆け出しの騎士見習い
の時分だったり、青年期だったり老成し始めてたりする一人の男を都度甲斐甲斐しく彼女は出迎え、
歓待する(もう、その時点でお互いに口には出さないが深い好意しかない)が、ひょんな事からヒロ
インの方が異世界に迷い込むことに。
そして、どうして毎回違う年代の騎士がやってくるのか、なぜ彼女(の時系列はあくまでも1週間単位)
の玄関に行き先が固定されているのか、が解き明かされていきます。

マンションの1室でゆったりまったり歓待してた時と違い、ヒロインは異世界(故に)で結構ハードな
事件事象に巻き込まれていくのだけど、その諸々がちゃんと読者をその世界に誘ってくれる文章を
作ってます。誤字脱字文法の間違いも殆どなく(一箇所、変換間違いはあったけど)、ラノベという
よりはちゃんと「小説」扱いにしてもいいのでは?と思うほどのクオリティです。

ヒロインと騎士の、お互いを物凄く大事に思ってる感情や行動の書き方が上手い。ものすごい温度の
高い感情表現はないのだけど、『こういう関係ってとても素敵』、と思わせる男女間の感情表現が良い
と思います。

#切ない #エモい #深い

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2024年04月17日

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