あらすじ
バレーボール元日本代表の益子直美さんが主宰する「監督が怒ってはいけない大会」が、メディアで注目され始めている。この大会、その名のとおり「監督が怒ってはいけない」というルールが柱だが、そのほかにも「参加する子どもが最大限に楽しむこと」「子どもたちも監督もチャレンジすること」の三本柱をテーマとする。
益子さんたちのこの試みは「体罰やパワハラが問題になるスポーツ指導に一石を投じる」として、小学生のバレー大会だけではなく、全国のスポーツクラブなどに浸透し始めている。
益子さんはいう。「『怒る指導』は心の成長を阻止し、考える機会を奪います。小学生のスポーツを始めるこの時期はとっても大事な時期です。『根性が足りない!』と脱落させる指導ではなく、『スポーツは楽しい』と思えて、自ら考えて行動でき、継続できるような環境にしてほしいと考えて、少し攻撃的ですが、シンプルに『監督が怒ってはいけない』というルールの大会を開催させていただきました」
本書は、2015年から始まり、すでに9年目を迎えるこのユニークな試みを、その誕生から、大会の様子、子どもたち、監督、親たちの反応や横顔をていねい描いていくノンフィクション作品である。
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Posted by ブクログ
先日、筆者の北川さんにお会いし、お話を聞いたあと読みました。賛否両論ある大会をされるきっかけとなる3人それぞれの苦しかった過去。バレー界だけの話ではなく、学校教育にも通じるものがありました。読みながら私自身を振り返り、苦しかったです。子どもたちの自主性や主体性、楽しさ、チャレンジ精神、そして笑顔を育めていたのか。心にとめて、子どもたちと向き合っていきたくなる一冊です!
Posted by ブクログ
タイトルが面白そうだったので、手に取った。
あと2カ月ほどでパリオリンピックが始まるが、
10代のうちから素晴らしい選手がどんどん出てくる。
この本は小学生バレーで、子供たちが楽しく打ち込めるにはどうするか、体罰やパワハラを無くして、どう指導するか、
9年間にわたる記録である。
スポーツ、語学、音楽、
小さいうちから才能を伸ばすことはいい事だと思う、
が、基本は本人が興味があるかどうか。
そして、楽しいと思える事。
大人は、子供の自主性を伸ばして、自分で考えさせる力をつけさせることが大事だと思う。
大谷翔平さんのように、野球が好きで好きでたまらないからこそ、自らストイックに努力をして今がある。
人に押し付けられた試練ほど、辛いことはない。
自分で選んだ試練なら、辛くても頑張れるはず。
スポーツ指導者や、教育現場で、保護者の方、
ぜひ、この本を手に取って、考えてほしい。
大人になれば、嫌というほど理不尽な目に合うのだから、せめて、子供のうちは楽しい事をして、思いっきり笑える経験をたくさんしてほしい。