あらすじ
日本プロスポーツ界に確固たる地位を築くJリーグが、実は長年、人気低迷と資金繰りにあえいできたことはあまり知られていない。この再建を託されたのがリクルート出身という異端の経歴をもつ5代目チェアマン、村井満だ。ビジネスの現場で培った経験をもとに抜本的な改革に取り組むが、スキャンダルや災害、さらには新型コロナ禍が追い打ちをかけ、リーグの存続さえ危ぶまれる。この危機をいかにして乗り越え、再建を果たしたのか? Jリーグ村井体制の激動の8年間を描き出す。
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Posted by ブクログ
もはや懐かしさも漂い始めるコロナ禍のJリーグの裏側が垣間見えた。しかし何より、ビジネスパーソンとして、リーダーとしての側面をありありと描写してくれている点が良かった。私はチョロいので影響を受けて実に仕事へのモチベーションが高まってしまった。宇都宮さんはあとがきで「ごっつぁん状態」「業界の迂闊さ」といっているが、宇都宮さんだから書けたという部分はかなりあると思う。
Posted by ブクログ
同じ浦和レッズサポーターとして村井さんのことを
誤解していたが、Jリーグに対して見えないところで、すごい貢献をされていたということがよくわかった。村井さんがバドミントン協会の会長になられ、浦和レッズのサポーターに戻れない日々が続いているのかと思ったら残念でならないです。
Posted by ブクログ
元Jリーグチェアマンの任期に起きた出来事を詳細に描いた一冊。
自分が普段見ているJリーグ。チームについて情報を得ることはあるけど、運営する側のJリーグ自体に思いを巡らす機会はあまりなかった様に思う。
例えば、秋春制の議論や昇降格のチーム数の話など、決まった決定や議論に対して意見を持つことはあれどそれを決めている側がどういう思いや行動を持って決めているかなど考えたこともなかった。(そういう人がいる事は理解してますが)
村井さんの任期中にはDAZNの話やコロナ対応など未曾有の転換点を迎えている。今当たり前に楽しませてもらってるJリーグは当たり前だけど、それに関わり決断してきた方のおかげで成り立っている。
身近な接点であるチームの裏に、Jリーグという組織があることを頭に入れた上でこれからもサッカーを楽しんで行こうと思う。
Jリーグを見ている方は必読の一冊だと思います!
Posted by ブクログ
面白かった。村井さんの軌跡としても、Jリーグとしての軌跡としても。違った種類の危機管理をどうクリアしてきたのか。パーソナリティの問題かもしれないが、こういう能力はどうやったら身につくのだろうか。
Posted by ブクログ
情報統制や隠蔽を繰り返す組織は、必ず腐敗してゆく。情報公開の重要性。組織と魚は天日にさらすと日持ちが良くなる。
スポーツに携わる人にとって、最も大事なのはどれだけ大きな志や夢を抱けるかということだと思う。スポーツというツールを使いながら、どうやって社会を変革していくか。そういった志。
積極的に現場に出向いて自ら汗を流す。
Jクラブは、サッカーという枠を超えて地域の共有財産となりつつある。優秀な経営者にとって、Jクラブの経営は魅力が大きい。経営者がその気になれば、医療や教育や少子高齢化など、地方が抱えるさまざまなアジェンダに関わることができる。
シャレン。才覚ある経営者がサッカーを手段ととらえ、リーダーシップを発揮すれば、地域に貢献できる。スポーツを通じて今後の日本社会を明るくすることもできる。
サッカーは何がいいのか?
感情を爆発させることができる。喜怒哀楽そのもの。それが全てかな。
スピードは経営者にとって本気度の代替指数である。小さな危機に対しても常に注意を働かせて先手先手で対応していく。
村井さん。すごくピュアで裏表がない方。
強いチーム作りをする上でさまざまな眼を持った人材が必要になる。虫の眼、鳥の眼、魚の眼、コウモリの眼。
情報統制や隠蔽を繰り返す組織はどうなるのか。答えは明白、必ず腐敗していく。先輩後輩の縦の関係を重んじ、外部からの参入に拒否反応を示すスポーツ団体によく見られる傾向。
旧態依然とした隠蔽体質の下、権力者たちが甘い汁を吸う構図。