【感想・ネタバレ】73歳、ひとり楽しむ山歩きのレビュー

あらすじ

登頂しなくても、ひとりでも、何歳でもいい。俳優業や介護で中断しながら30年間山を歩き続けて見つけたのは「山の中で見るものはすべてが美しい」ことだった。自然に入り、自分を見つめなおす喜びを綴るエッセイ。

【目次】
CHAPTER 1 山で出会った道
69歳、大自然の中を貫く
世界一美しい散歩道、ミルフォードトラック
40歳のはじめの一歩
白く美しい燕岳
自分らしくなれる場所
私たちの道標のような人

CHAPTER 2 山は文化だった
「山と溪谷」と私
歩くことで紡がれた物語
室堂山ですれ違っただけの人
幻のジャンダルムデート

CHAPTER 3「自分の山をやりなさい」
『山なんて嫌いだった』
エベレスト街道の21日間
帰国した薄汚い女
ヒマラヤの山頂に立つ
念願の「自分の山」をやれた夏

CHAPTER 4 登れなくても自然があった
やりたい山に出会った矢先
母「絶対に南極へ行く」
小さな自然が元気にしてくれる
自然に親しむトレイル・カルチャー
加藤則芳さんが遺した道

CHAPTER 5 自分のために道を歩く
自分でシナリオを書きながら登っている
還暦から歌手になる
田部井さんとの最後の山
歩かれなくなった道は消える
足裏で聞く枯葉の音

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 読後、清々しい気持ちになった。
市毛良枝さんというと、好感度の良いお嫁さんにしたいNO1の女優というイメージで、山に登られている事は知っていたが、お嬢さんの趣味かと思っていた。ところがどっこい、本格的な登山で、ヒマラヤもキリマンジャロも行かれたというから、ガチな登山家だ。女優さんなのに、日焼けが気にならないのかなと思った。
 登山を通しての人脈が素晴らしく、田部井さんともかなり仲良しだったそうだ。登山を通して、彼女の世界が広がっていった様子がよくわかる。
これからも女優さんのお仕事と、登山に纏わる様々な活動を頑張ってやって頂きたい。

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2024年12月25日

Posted by ブクログ

市毛良枝さんが登山をされているというのは聞いたことがあったが、この本を読んで、想像以上に本格的な登山を経験されていると知り驚いた。もはや登山家!

物静かな俳優さんというイメージだったので、本から伝わる気さくで芯がある強さを感じさせる文章に意外だなと思った。

山に登るようになってからの人とのつながりが多く語られているが、なかでも田部井淳子さんとのふれあいにひかれた。田部井さんて魅力的な方だったのだなと改めて感じた。同郷なのでなんだか嬉しい。

市毛さんが山を通じて、人とつながり、活動している様子はとても精力的で刺激を受ける。あの小さな身体にどうしてこんなパワーがあるのかしら?なんだか私も山に登りたくなってきちゃう。
いまこの本にもでてきた『みちのく潮風トレイル』が気になってます。

田部井さんが市毛さんにかけられたことば
「自分の山をやりなさい」
「学びは究極の遊びです」という市毛さんのことばが印象的だった。

ニュージーランドで短期滞在の学生として過ごされていた時期があるという。
「良枝は将来何になりたいの?」
と問いかけられ戸惑ったそうだ。このことばに私はどきっとした。自分にも問いかけてみたい。

市毛良枝さん魅力的な方だなぁ。登山愛好家のエッセイだと思い読み始めたら、人生を考えさせられる良本でした。良い刺激を受けました。ありがとうございました。

市毛さんのニュージーランド記も読んでみたいなぁ。書いてくれないかしら??

20250308

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

ニュージーランドの世界一美しいと言われるミルフォード・トラックを歩かれた話から始まり、40歳で山ガールデビューされた市毛良枝さん、最初の山登りがなんと燕から常念への2泊3日の小屋泊縦走だった事にも驚きました。
若い時からスポーツとかされてなかったインドア系のお嬢様育ちの女優さんが突如山に目覚めてキリマンジャロとかヒマラヤトレッキングにも行っちゃうのだかもう素晴らしいの一言に尽きます。山をやりだすと誰もが一端の哲学者みたいになっちゃうところもアルアルのようなんですが本当に素晴らしいと思いました。
また、女性で初めてエベレストに登った田部井淳子さんとも親交を深められたり、他にも加藤則芳さんとか超一流の登山家や冒険家、山小屋の主人やカメラマンとも親交がありそこらは女優妙理に尽きるなと感じました。
母の介護とかで山から遠ざかる時期もあったようですが30年以上も山をやっていらしたとか尊敬に値しますし素晴らしく思います。
また、40歳で初めて登山されたルートを23年後と言うから63歳であるかれて常念どころか槍ヶ岳に大喰岳、中岳、南岳と縦走され体力的衰えも全く感じなかったとかすごすぎる。田部井さんに連れられて国内外登ってきたお陰なのかもw
私は国内しか行くの難しいと思いますが、「黒部の山賊」の著者の伊藤正一さんが開拓された伊藤新道。廃道化してたルートなんですが、昨年より整備が進み歩けるようになったようなのです。そこを通って北アルプスの最深部の雲の平に行ってみたい。

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2025年01月25日

Posted by ブクログ

この本を手に取った時、ちょっと躊躇った。今年、私は足を傷めて山に登れなくなった。山登りを始めてから、初めて、夏はどの山にも行けなくなってしまい、治療に明け暮れた。なのに手に取ってしまい、読み始めると、頂上からの眺めの感動や、ここだけの植物との出会い、登山道を踏み締める感触が思いだされてちょっと悲しくなった。
でも、読むうちに、市毛良枝さんの言葉は山への想いや感動がキラキラしていて、だんだん引き寄せられた。
どの山へ登っていても、誰と出会っていても、市毛さんは市毛さんだし、そのことがとても好ましくなった。
体を治そう、無理なく鍛えよう、そして私もまた、山へ行きたい、そう思えるようになった。技術や経験でなく、とにかく山が好き!なら、今からでもまたやり直せるだろうか。

後半は、田部井淳子さんやトレイル協会の加藤則芳さんなど、山を通じて縁を得た人たちとのお話。思うように山へ行けない介護のさなかでも、筋力を鍛えようとする姿は、山へ行くための努力を語らない、市毛さんの姿がふと垣間見られた瞬間だった。

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2024年11月26日

Posted by ブクログ

山に惹かれたきっかけから始まり、これまでの山との付き合い方を具体的に書いてある。アルプスや海外の山の様子も分かって参考になった。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

人生の節目...ということか?
親の介護など...しながらそれでも山を楽しむ、
そして親を看取り、また山の楽しさを教えてくれた人々との別れ...

そのようなことを章を分けて綴られている...印象

文章の語り口調がなんかちょっと違和感...
なんだろう??

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2024年11月22日

Posted by ブクログ

市毛さんってこんな活動をしていたのか、と改めて感心した。年齢を重ねて、できる事が減ったと嘆くより、楽しく夢中になれるナニカを一生懸命にやる市毛さんの生き方が素敵だな、と思う。
「人は生きた時間しか残せない」という文中の一言が心に残った。

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2024年03月03日

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