あらすじ
介護をしていれば、日々さまざまな「なぜ? どうして!?」があります。
何が起きるかはわかりません。認知症の人たちはとくにそうです。
100人の入居者がいれば、100の人生があり、100の事情があります。
一人一人に寄り添いながら、認知症の人の世界にできる限り合わせようとしてきたある現役介護士の記録。
●ズボンをかぶり、トレーナーを履くおばあちゃんの徘徊がとまったのはなぜ?
●何度片付けても部屋を荒らす人のその行動のワケとは
●うんちを手渡してくるおじいちゃんにとって実はうんちは○○だった!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
認知症は病気 誰しもが老いとともになりうる症状でしかないと伝える人もいるけど、伝えてることは共通してる。どんな奇行があっても、理由があるから頭ごなしに押さえつけたり否定するべきじゃないと。
育児もそれと全く同じ気がする。
こうあるべきが強いひと程、強い行動や言葉が出てきちゃう。それが認知症では強化され安いだけなんじゃないかと。
ただ、施設利用の選択肢は持ちたくても空きがなくて待たされてる人が周囲にいる。
自宅介護で行き詰まってる人が、この本で解決策を見つけられるんじゃないだろうか。
Posted by ブクログ
認知症の人の意味が分からない行動に入居施設の介護者がどのような気持ちで、どんな風にかかわっているかの事例を垣間見るとができる。
何らかの理由があったり、対処の工夫によって収まったり。
万能の正解があるわけではなく、それぞれの相手や家族などに人として向き合い、コミュニケーションを大切にする様子が印象的だった。
24-16
Posted by ブクログ
認知症の人の行動について、ユーモアを混ぜて書かれている。認知症の人は困らせてやろうと思ってその行動をしているわけではない、というのは全くその通り、だけどなかなか消化できないことだとも感じた。1人の人として、接することで見えてくることもある、ということが学び。
Posted by ブクログ
介護福祉士のたっつんという方の書かれたものです。
現役で介護の仕事を続けているなかでの、おもに特別養護老人ホームなどの施設での、認知症の方の話ですね。
入所等されている老人の、30例ほどの実際と対応がのっているのですが。
我が家の義母の症状と同じという例は、ひとつもありませんでした!
だからなにも参考にならないというわけではなく、それぞれの状況に応じての対応は素晴らしいと思います。
認知症の方に寄り添うというのは、こういうことだなとか、『本当の気持ち』を汲み取るには、根気や注意力が必要なんだなということ。
職員の方の機転が必要な場面もあり、叱ったり、注意したり、とりなしたりせずに、相手の気持ちに沿うことができているのです。
ただコレらは、話し合いで解決の糸口がみつかったり、施設で何人かの職員さんがいてこそできることだったりするのだと思います。
ノウハウの蓄積も、あるでしょう。
さいごに、家庭での介護について、少しふれています。
ただ、家族だけでは、やはり難しいので、いろいろな人の手を借りましょうということを言っています。
まったく、そのとおりですが。
ひとつ、自分が介護をやってきたなかで、どうしても苦手なことがありました。
それについて、感覚的にダメだったり、ムリと思っても、仕方がないことだと言ってくれているのが、ありがたいと思いました。
それ、とは、排泄物のことです。
まあ好きな方はいないとして、慣れとかいうより『生まれもっての感覚が大きいのかも』と言ってもらえるのは、ちょっとホッとします。