【感想・ネタバレ】遥かなる航跡（集英社インターナショナル）のレビュー

リシャール・コラス / 堀内ゆかり

1972年、18歳の夏。カメラ好きのフランス人である「ぼく」は、偶然日本にやってきた。繊細で礼儀正しい日本人と触れ合ううち、急速に日本に惹かれていく自分。そして日本人の青年に誘われて瀬戸内海の島を訪れた「ぼく」は、そこで一人の少女と恋に落ちる……。それから30数年、日本人女性と結婚し、日本の会社のトップに上り詰めた「ぼく」のもとにある女性からの手紙が届く。シャネル日本法人社長が、自らの体験をもとに書いた自伝的小説。

[ブクログ · ★★★★★]

知人の薦めで読んだ。
この物語に登場する瀬戸田、倉敷は幾度も訪れたことのある場所であるだけに
簡単に想像することができて、物語にのめりこんでしまった。
とても美しい恋愛物語。

[ブクログ · ★★★★★]

作者は初めて小説を書いたというが、にわかには信じられなくらい作品の完成度は高いと思った。前半の我々（日本）を見る眼、後半の好きな日本女性を見る眼、そして映画のような情景、ともに新鮮だった。ビジネスの世界で成功する一方で、きちんとした内面世界を携えて登場してきた作者への期待は大きい。