あらすじ
善人と書いてヨシト、なのに空き巣で前科二犯の俺。出所早々、懲りもせず忍び込んだ豪邸の主は、なんと初恋相手の美女マリアだった。後日、偶然を装って再会し、急速に距離を縮めていく二人……だが、彼女に「夫を殺してくれない?」と頼まれ困惑する俺。不穏な現在と、懐かしく切ない平成の青春が交錯する物語の結末は――。この逆転劇は絶対誰にも予想できない!
※本作品は2020年に小社より単行本刊行された『あなたに会えて困った』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
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Posted by ブクログ
最初からあざといマリアが何かしら意図的に善人に近づいているのも分かるし、マリアの夫が出てこないので善人が最後に嵌められるのかと思いきや、この結末は予想していなかった。思いのほか温かな結末であり、感涙まではいかないが帯にある通りであった。
しかし真相が分かった後は頭が混乱しながら読み進める。それも作者が巧くそしてリアリティがある展開で現実と回想を入れていったからだと思う。
途中までは★3だったが、最後にすっかり騙される展開に★を加え★4とした
Posted by ブクログ
まさに逆転に次ぐ逆転の物語でとても面白かったです!
前作の『逆転美人』は紙の本ならではの仕掛であっと言わせる物語だったのが、今回は内容と記述で騙しに行く本格的な叙述トリックで平成末期と1990年代~2000年代初頭を行ったり来たりしながら主人公の善人とマリアの関係が深まっていく。
渾名と本名の結びつきがあまりにも自然すぎて完全に騙されてしまった。そしてそのトリックによってマリアの本当の目的も明らかになっていき、怪しい物語が感動の物語に変わっていくのがとても良かったです。善人はもはやツンデレとしか言い様がないほどの独白とそこから立ち直りがとても良かったです。
スカッとするどんでん返しでとても面白かったです。
次の『逆転ミワ子』も楽しみです。
Posted by ブクログ
確かに逆転したときには頭の中がストップしたけれど、『逆転美人』ほどの驚きや斬新さはない。
よくある叙述トリックと言ったらなんだけど、そう珍しくもないパターンかなと。
最後の美談的な流れは好みではない。
教育虐待を受けたことのない人が想像で書いたんだろうなぁって感じで、こういうことをお涙頂戴な作品にするのは正直不快というか偽善的。
だいたい弱った人の謝罪なんて、相手のためではなく自分のためなんだから流されてはダメだよね。
登場人物と同い年のため、時事ネタは懐かしくもあったり、こんなことがあったんだと読んでいて楽しかった。
Posted by ブクログ
読みやすい作品でした。
結末はどういうこと!?っと初めから確認したくなりました。
作者の方と世代が一緒なので、時事ネタも懐かしくて楽しめました!
Posted by ブクログ
子供の頃のあだ名ヨッシーとタケシがまさかあんな逆転になる布石だったとは驚きでした。今回も後から読み返すと変な違和感があったが読んでいる時は気づかなかった。また騙されました
Posted by ブクログ
【巧いというより強引】
「本そのもの」にトリックがある『逆転美人』『逆転ミワ子』と違い、純粋な叙述トリックもの。具体的には現代のシーンと過去の回想とで一人称の視点が入れ替わるのをネーミングの工夫でわからなくしている内容。伏線を疑わせる怪しげな描写は満載だが、それでも明かされるまで気付かずしっかり騙されはした。ちょっと進行に無理がありすぎる気がするし怪しい怪しいと思いながら読むせいですっきり爽快に騙される感覚が味わえず、タイトルを改題することでトリックへの期待のハードルが上がってしまった分内容への評価は厳しくなってしまう作品でした
Posted by ブクログ
トリックは何だか強引というかアンフェアな気がした。
登場人物が真相を事細かに全て説明しないと読者がついていけなくなるのが何だかなぁという感じ。
でも最後は感動したし、胸くそ展開じゃなくて良かったと思った。