【感想・ネタバレ】代官山あやかし画廊の婚約者 ゆびさき宿りの娘と顔の見えない旦那様のレビュー

あらすじ

「ようこそ、婚約者殿」そう言って恵茉を迎えたのは、狐面で顔を隠した青年だった――。
祖父を亡くした恵茉は、言いつけに従い訪れた代官山の屋敷で、律と出会う。彼は婚約者であると同時に、祖父が菓子を納めていた店の主でもあるというのだが。
(菓子店ではなく、画廊を経営?)
律の画廊には、怪奇現象を起こす絵の相談が寄せられる。それを解決する菓子作りの力が、祖父から恵茉へ継がれているようで……。
心の傷と、秘密を抱え、絵に込められた思い出を解きほぐす、二人の恋愛ファンタジー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

意地悪なお隣さんしんど…。
恵茉ちゃんは傷を抱えてグラグラしながらも、根っこがちゃんとしてて、おじいちゃんの偉大さがうかがえる。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪奇現象を起こす絵を鎮めるために絵の望む菓子を専門的に作る「ゆびさき宿り」の少女と狐面で顔を隠した婚約者殿とのミステリ要素あり、怪異もあり、勿論美味しいお菓子もありの要素盛りだくさんの物語。
絵とお菓子の組み合わせが最初は不思議だったが、故人である作者の思い出や意志に関わるお菓子と思えば、ミスマッチではないのかなと感じた。
様々な想いや縁が込められた絵が様々なパターンが出てきて面白かった。
絵を鎮めるのに失敗するパターンがあったのにも驚いたり(これは後程リベンジがある)
そして、これまでの依頼で培ってきた縁が最後の強敵すぎる絵との対決に活きた展開も印象的だった。
支流が集まって本流になる興奮というか。

他者からは超絶美形に見えているヒーローの顔が主人公には常に狐面に見えていた謎は終盤に解明。
色々謎の多かった彼の秘密が一気に明らかになるのは、最後の絵の対決と並んで興奮したところ。
しかも主人公視点だったからこそ気付かなかった点も最後に種明かしされたのにも驚いた。
これはヒーロー側から見た本編も体験したかったなあ。

主人公の少女は諸々のトラウマで俯いてばかりの子。
彼女がトラウマを乗り越えて視線を上げる成長物語でもあるが、彼女の前に立ちはだかったトラウマの存在が、個人的にはちょっとしんどかった。
自分も生理的に苦手なタイプだ。
しかも一人じゃないのがきつかった。
もう一人の方は最終的に和解できたからよかったけど、読んでいる自分のトラウマも掘り起こすようなキャラだったので。

これはただ主人公とヒーローとが絵の問題を解決しながら恋を育むやさしい物語ではない。
お菓子が出てくるからと言って甘いとは限らないのが、魅力なのかなと。
メンタルごりごり削れましたけども。
ただお菓子は美味しそうでした。
前作より洋菓子率上がっていたのもいい。
和菓子以外もいけるとは、作者さまの手広さにも驚いたお話だった。

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2023年09月30日

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