【感想・ネタバレ】夢見ることだけはやめなかった 74歳、絵本画家の居場所を探してのレビュー

あらすじ

課題図書にもなった50万部超えの絵本『うさぎのくれたバレエシューズ』の画家、南塚直子さんは社会生活が苦手で、大学を出てすぐ結婚したが、「これから何をして生きていけばいいのか」という葛藤にさいなまれていた。2児を育てる専業主婦だったが、「自分の力を生かして、自立できる何か」を探していた。
心理的に断崖絶壁にあった30歳の元日。「私は絵を描く人になる」と願をかけて、その日から目標に向かって積極的に突き進んでいく――。絵本の世界に居場所を見つけて40年、現在も新作を発表し続けている。生きがいの見つけ方、努力を積み重ねることの大切さなど、若い世代へのメッセージとともに、シニアがいきいき生きるコツなどを伝える。銅版画や陶板作品も多数掲載。「安房直子さんの声」「まど・みちおさんの詩の絵本」など、書下ろしエッセイも収録。

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Posted by ブクログ

大好きな絵本作家さんの一人。あまい夢のような、桜色が印象深い「うさぎのくれたバレエシューズ」の銅版画家。なんと10年ほど前に大学で陶板画を学んだそうで、近年は陶板画の絵本を出している。今なお歩み続ける南塚さんの、ボリュームたっぷりのエッセイ。

1949年生まれ。ノートの余白に女の子を描いていた、すこしさみしい子ども。和歌山から上京し、大学で学び、自分の仕事、居場所を持ちたいと悩んだ若い日々。
安房直子さんとの出会いから交流、そして別れまで。
ハンガリーでの暮らしや銅版画のこと、もちろん「うさぎのバレエシューズ」のことも。そして50代を病気の痛みを抱えて過ごした後、新しいことを始めようと、陶板画に挑戦した京都での暮らし。
私の愛読絵本、まど・みちおさんの詩の絵本についても書かれていて、もう隅から隅までじっくり読んだ。近年の陶板作品も多く載っている。もちろんフルカラー。

"シニアの生き方エッセイ"ではなく、自分のこれまでの歩みをやさしい眼差しで振り返っている感じなのが、とてもいい。

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2024年03月01日

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