あらすじ
あなたの知らないドリンクの世界へようこそ!
食べ物に着目した健康本は数多くあるにもかかわらず、どうして人は同じように「飲み物」に着目しないのか?
・エナジードリンクは集中力を上げる?
・乳酸菌飲料が生きて腸まで届くって本当?
・グラス1杯のワインは健康に良い?
・浄水ポットの水は安全?
こうした身の回りにあふれる「飲み物」にまつわる噂や効果を、健康問題の専門家である著者がエビデンスをもとに徹底解説!
水、ミルク、お茶、コーヒー、炭酸飲料からお酒まで、あなたが口にする「飲み物」の疑問をまるっと解決!
「食べものについては、何を選ぶか、それが健康にどう影響するかを深く考える人は多い。
だが、飲みものに同じくらい注意を払う人はおそらく少ないだろう。
じつのところ自分が何を飲んでいるか、あなたは知っているのだろうか?
素晴らしき飲みものの世界にようこそ!」(本文より)
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Posted by ブクログ
全く新しいびっくりするような事実は出てこない。訳者あとがきで指摘されるように「この飲物に○○という成分が体に良いという証拠はない。」とか「確かに××という体に良い成分が入っているが、それは人体に実際に影響を及ぼすほどの分量ではなかもしれない。」といった「幻想」を打ち消す記述に溢れている。
こうした態度は、雨後の筍のごとく、消長を繰り返す、流行りの健康飲料に踊らされないための重要な武器になる。
しかし、忘れてはならない、僕らは摂取する飲食物を科学的に分解して処理する機械ではない。
本書で度々登場するコカ・コーラ社の戦略のように、そこに付加されたブランドイメージによる体験を僕らは味わっているし、それによる身体への効果(プラセボ効果)も無視できない。
結局のところ、これだけを飲み続ければ完全に健康でいられるスーパードリンクなど存在しないということを念頭に置いてバランスよく色々な飲食物を食べつつも、たまには健康ドリンクを飲んでみ体に良いことをした気分を楽しむくらいがちょうど良いのではないか。
くれぐれも、人が楽しみ好んで飲んでいるものを本書の知識で断罪して周囲を興ざめさせないように。