あらすじ
先週見た映画のタイトルは何だっけ? どうしても思い出せなくて苦悶する――そんな経験はないだろうか。
だが、大多数の人はこうした物忘れを心配しなくても大丈夫。記憶はすばらしい能力だが、完璧とは程遠いのだ。
全米ベストセラー作家の神経科学者リサ・ジェノヴァが、脳が記憶する仕組み、記憶力増進の秘訣、物忘れの真実など、記憶の驚異のパワーと弱点をわかりやすく語る。記憶力を最大限に活用するための画期的なガイドブック。
【有名科学者による賞賛の言葉】
「神経科学者としての専門知識とストーリーテラーの才を駆使し、人間の記憶のひだに分け入っていく。……啓発されるところの多い、魅力あふれる書」
――スティーブン・ピンカー(ハーバード大学心理学教授)
「記憶の話を語らせたら、科学者の目と詩人の耳を備えたジェノヴァ博士の右に出る者はいない」
――デイヴィッド・イーグルマン(スタンフォード大学神経科学者)
「記憶とは何か、記憶はどのようにはたらくのか、記憶を奪われると何が起こるのかを解き明かしてくれる。科学的であると同時に文学的にも極上の一冊」
――ダニエル・ギルバート(ハーバード大学心理学教授)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
かなり読みやすい記憶の科学的な解説の本。序盤に記憶を4種類に分けて紹介している。
記銘・固定化・保持・想起。想起には2種類あり何もないところから思いだす再生と、提示されて思い出す再認に分かれる。そして再認は常に再生よりたやすい。舌先現象(あとちょっとで思い出す、という単語がいつまでたっても思い出せない現象)も、答えを提示されたらそれが正解だとすぐに分かる。これが再認である。
記憶は重要だが同時に重要でもない。あなたの人格は感情や倫理的な判断によっても形作られている。忘れるのは当たり前でほとんどのど忘れは病気ではない。当然だ。覚えたかったらメモをしたりイメージ化したり記憶術を使ったりしよう。心と体を健康にしてポジティブに生きよう。という本。やさしい語り口でわかりやすい内容で傍らに寄り添っているかのようなスタンスである。素晴らしい一冊。
Posted by ブクログ
暗記勉強を始める前に、何かためになることはないかなと思って本書を手に取りました。
記憶について、著者の日常の体験や実験データ等を交えて神経科学の観点からわかりやすく教えてくれています。
本書を読んだことで、記憶のすごいところや不確かさを知ることができました。
自分へも他人へも記憶の点について寛大な気持ちになれそうです。
共感や驚きの連続であっという間に読み終えてしまいました。
記憶力を高める方法についてももちろん記載がありましたが、暗記については残念ながら地道にコツコツやっていくしかなさそうです。。
Posted by ブクログ
記憶について抱える悩みの多くは、人類に共通の自然なことであり、心配しすぎる必要はない。
ーーそんな趣旨の説明があり、この本を手に取った動機の半分が失われたが、読む価値はあった。
・思い出せないのではなく記憶していない→注意を払うことが重要。
・箸の持ち方のようなマッスルメモリーは消えにくい。
・エピソード記憶は想起するほど定着するが、想起する度に書き換わる。
・記憶のためのテクニック:視覚的でユニークなイメージを持つ、記憶の宮殿に配置する、ストーリーをつける、経験の文脈としてユニークなことをする、記憶を反復する、思い出すトリガーをモノ・コト・感覚に用意する
・あとで思い出そうという展望記憶は人間に向かない。スマホを活用して外在化。
・慢性ストレスは記憶力低下に繋がる。睡眠を取りましょう。
解説はユーモアに富んでいる。それぞれの例を記憶して思い出すためのテクニックも知りたいところだ。