あらすじ
”夜逃げする人ってどんな人だろうと思ったけど…実はどこにでもいるようなワシらと同じ普通の人なんだ…”
夜逃げ屋とは、DVをするパートナーや毒親などから逃げたい人々の引越しを手伝う業者。
外からは普通に見える家庭でも、一歩踏み入れると見えてくる衝撃的な現実を、実際に夜逃げ屋で働く作者がリアルに描くコミックエッセイ。
漫画家を目指すもうまくいかず、何が描きたいのかわからなくなっていた作者、宮野シンイチ。ある日、TVで見かけた夜逃げ屋という仕事と、そこを取り仕切る女社長の漫画を描きたいと思い取材を申し込む。
取材当日、夜逃げの現場についていき、手伝うことになった宮野。壮絶な現場を目の当たりにした後、社長の鶴の一声で夜逃げ屋に就職することに。
夜逃げ屋として働く人の視点から、夜逃げをする人達が抱えている苦しみや葛藤を描く。
Twitterで掲載された話の他に、夜逃げ屋の女社長が経験したエピソードや、本編の裏話を描く夜逃げ屋雑談などの描き下ろしを45ページ以上収録し書籍化。
感情タグBEST3
エッセイより重く深い実録
どの話も重く深い
作者の真面目な人柄が偲ばれます
逃げなければならなかった人達の
その後に安らぎがありますように
匿名
様々な人生を知ることができる
SNSなどで見る他人の人生は幸せそうな姿ばかりだが、この漫画ではふだんあまり見ることのない、そのままの他人の人生を垣間見ることができた。
漫画家さんも含めて、皆いろいろなことを抱えて生きている、人生の難しさを知れておもしろかったです。
話の展開もリアリティを感じられハラハラしました。
登場人物のキャラクターも個性があり生き様がカッコ良い、素敵な方々だと思いました。
Posted by ブクログ
夜逃げ屋で働くことになった著者がそのリアルな体験を描いたほぼ実話の作品。
配偶者からDVの被害に遭い夜逃げを決意した女性が多く出てくる。
相当勇気のいることだろうし、夜逃げしたあとも恐怖から完全に解放されるわけではない。
一生分のトラウマを抱えながら生きていかなければならないと思うと、読んでるこちらまで苦しくなってくる。
夜逃げ屋の女性社長がとにかくかっこよかった。
自ら現場に足を運ぶだなんて…!
警察以外にも助けを求める手段はたくさんある。
手を差し伸べてくれる場所を知っておくのに損はないなと思った。
匿名
夜逃げする理由は1つ
夜逃げと聞くと、多分だいたいの人がその理由を
【借金があるから】、【悪いことをしたからだ】と、
反射的にそう思ってしまうのではないか。
私はそう思う人間の側だったけど、
このマンガをSNSで知ってから、
それは大間違いだったということを教えてもらった。
気になりすぎて購入して読んだあとは、
夜逃げに対するイメージが、このマンガを知る前と
真逆に変わった。
夜逃げを依頼する人たちには、
誰一人として借金もなければ、罪もない。
それなのに住み慣れた土地と思い出を捨ててまで
夜逃げせざる得ない理由が、全員に共通している。
それがすごく驚きで、夜逃げほど人間の醜い本性や
虐げられる側の苦しみに関わる物事はないと思った。
試し読みしてみて、少しでも興味を持ったなら、
【いつか】でいいので、買ってみて読んでみたら
いいと思う。
これを読んで、誰しもが夜逃げとは無関係な人生を
送れるとは限らない時代だと思ったし。