【感想・ネタバレ】動物人間 3巻のレビュー

あらすじ

この世界では…人間が動物に支配され、美味しい食事として育てられる――。「強者が弱者を喰らう」、ただそれだけがルールのなかで、敵としての宿命を背負った《子羊》のチカと《人間》の少年マーフは巡り合う。二匹は、この残酷な世界でどんな答えに辿り着くのか……?現代の寝ぼけた倫理観に牙をむく、トラウマ必至・刺激的すぎる【逆転寓話】第3幕。物語は……新たな旅路へ。

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鉄格子の檻にとじこめられざわめく家畜は、牛や豚ではなく「人間」。
動物たちの「食料となった人間」。
この衝撃的シーンに、動揺を隠せません。

物語は、父と娘が迷い込んだ不気味な集団の食事会から始まります。
「人間が家畜」「人肉が主菜」という衝撃的な設定によって、
動物と人間の立場が逆転した世界で、普段見過ごしている問題に直面することになります。

私たち人間が動物に向けて行う飼育、観察、狩猟、解体。
愛情の向け方まで。
その世界が逆転した世界には違和感の連続です。

豚や鳥の丸焼きを目にしても、人間はそれほどの違和感は覚えないでしょう。
しかし、この立場が逆転した世界では「人間の丸焼き」が登場します。
「ちょうど焼きあがったとこだ。食ってくか?」というセリフとともに。

村のリーダーである鹿のアーネストが今まさに解体されようとする人間に向ける言葉は
「大丈夫。君の命はまったくもって無駄にはならない。」

人間が動物に投げかけるであろう言葉や思い、そして思いやりと称した言動。
登場する動物たちの言動を、本来人間が行っている言動と考えるならば…
あらためて何かを考えさせられる深いメッセージを持った物語です。

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ネタバレはありません。

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