あらすじ
オカルト雑誌編集部で働く大学生ライター×異界へ行くことを夢見る「赤い女」
ラストが深く沁みる、新時代の青春恋愛ホラー
零細出版社でアルバイトをしている大学生の米田は、雑務やHPの更新の他に実話怪談の記事の執筆を担当している「怪談ライター」だ。
ある日米田は取材の最中に、乃亜という不思議な、赤い服を着た女性と出会う。
彼女はオカルトマニアで実際に怪談の現場に多数足を運び、科学的に証明できるのかどうかや、再現性がある事象なのかどうかを確かめているのだった。
そして乃亜は怪談の中でも特に「神隠し」について執着しており、自らもいつか異界へと行くことを夢見ていた。
初めはかかわり合いになりたくないと感じていた米田だったが、深夜のオカルトスポット巡りなどのまっとうではないデートを通じて、否応なく距離を縮めていく。
だが彼女には、怪異にまつわる切ない過去があった――。
そして夏休み、米田と乃亜は、奇妙な祭りの風習があるという話を聞いて、後輩の実家がある山奥の土地に赴いたのだが……。
==
僕の彼女は、怪談になった――。
大切な人に会いたくなる、切なくみずみずしい青春恋愛ホラー
==
※Web小説サイト「カクヨム」投稿作に大きく加筆修正をし書籍化。
装画=春 (『ノーコピーライトガール』)
*電子書籍版特典として、書き下ろし番外編ショートストーリー「米田さんへ」を収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
テレ東の「あの本、読みました?」で背筋さんが勧めた本なので、手に取ってみました。番組でも青春っぽいホラーですと(確か)紹介。その通りの本です。主人公は都内の大学で必修の語学を落としたため留年確定している4年生の米田学。オカルトとやくざの雑誌を発行している零細出版社でバイトをしていて、取材して原稿を書いたりHP更新したりと社員のように働いている。取材で出会った後輩の山城龍彦と、先輩の佐倉乃亜。佐倉は異界に興味があると言い、なんだか取材にもついてくるし、自分から怪談スポットに誘ったりする。その中で二人は仲良くなっていくのだが(ホラーでありながらここは青春で恋愛)、佐倉の異界好きにはやや深いわけがあって...。
山城の故郷の祭りで起こる出来事とその後はがっつりホラーな感じですが、その選択に共感できない人が多いのがこの本の評価が伸び悩んでいる原因かと思います。多くの人は、なんで?と思っちゃうよね。私も。でも、それ以外は読みやすいし、米田の性格も面白いし、挿絵も本の雰囲気に良く合っているし、類書を読んだことがないという意味でもよかったです。
男女の交際が出てくるので中学校から。個人なら小学生に読ませても問題ないかと思います。
Posted by ブクログ
ヤバい怪異って赤いんですよね。
異界に行きたいのは死にたいのとは違うって思っていた。
異界につながる怪談をひとりでひたすら探していた大学院生の佐倉さんと、怪談ライターの大学生米田くんの数ヵ月の恋愛物語だ。
異界って本当にあるのだろうかとは私も常々考えている。
異界にいって帰れないのがいちばん怖い。
昔、トワイライトゾーンというテレビドラマがあった。
深夜ひとりで見ていて異界というか過去へ行った人のはなしがトラウマ級に怖かった。
それは現代人がたぶんナチスドイツに転生されてユダヤ人のホロコーストに巻き込まれ列車に乗せられるはなしだった。
私には異界、転生はあり得ないくらいこわい話な訳だ。
はなしがそれたけど、佐倉さんは両親が異界へ行ったと信じていて、それを科学的アプローチで解明しようと大学院に通って研究をしていたわけで、そっちはもう良かったのかなとがっかりしてしまった。
果たして異界は良い場所なのだろうか。
時空のおっさんは佐倉乃亜さんのお父さんだったのかどうかはかなり気になったかも。
そしてあの三角形の部屋の上の階は入り口だったのでは??と思えた。
それにしても、米田くんがいるこの世界に未練はなかったのだろうか。
両親に会えたら幸せになれるのだろうか。
佐倉乃亜さん、米田くんがあなたをずっと思い続けていたら黄泉比良坂へあなたを迎えに行けるのですか。
赤い服の女になった佐倉乃亜さんが怪異になったのか米田くんの守護者になったのか続きがあってもいいなとは、少し思えた。
いつか異世界エレベーターも米田くんに試してほしい気もする。
Posted by ブクログ
「僕の彼女は、怪談になった」という帯に書かれたキャッチに魅せられた。実話怪談の記事をアルバイトで執筆している大学生の米田と両親が「呼ばれた」と言い行方をくらませてしまった経験のある大学院生の乃愛の青春恋愛ホラー物語。と言っても多分に甘い恋愛物語の要素はこれっぽっちもないが、それでもせつない恋愛物語だと思う。物語の中に人と待ち合わせをするときの目印に森見登美彦さんの「きつねのはなし」と言うくだりがあったが、なるほど、森見さんのホラー系の物語、内容もタッチも全然違うのだが、「夜行」をライトにした感じだと思う。
Posted by ブクログ
ホラーのようなオカルトのような純愛のような、そんな物語。最初に書かれている「後悔」と「赤い女」がどんなものなのか…最近ホラーなど怖い話が苦手になったので最初の三角の部屋と赤ん坊から怖くて夜読んだことをそれこそ後悔。ただ、ちょいちょい挟まれるホラーは怖くも米田と乃亜の、恋なのかそうじゃないのか不思議な関係が気になり結末も気になりで楽しめた。自分から廃屋やらの心霊スポットに出向くのも怖いけど自分の家に近づいてくる、来てしまう系が1番嫌かも。出たよ、来たよと思ったらまさかの展開。米田はいつか行くのか気になる。
Posted by ブクログ
世の中で起こってる
不思議な事(怖いやつとか謎めいたやつ)
それは
自分がいる世界で
自分(人間)が標準として
異世界との交わりで
起こっているのか
パラレルワールドのような
今存在している世界と並行してる
基本的には同じように思えるのに
何かが違うという気がする事
自分(人間)とは違う異形のものを
異世界のものとおそれる事
色んな事象がありそう
でもそれを
嫌だとか怖いとか不安だとか
マイナスな気持ちに感じるのも
人それぞれだし
マイナスじゃなくて
わくわくしたりする人もいるし
完全に今の自分世界を支持する
あっち(どっち?)に魅入られる
でも
今自分がいる標準だと思ってる
この世界にも有象無象が存在して
それを選ぶ主導権が
自分にあるのか否かで
感じ取るものが違うのだと思う
そんな複雑な思いで読まなくても
楽しめる
ふんわり真面目な恋愛小説かな