あらすじ
時は5代将軍・徳川綱吉公亡きあとの江戸時代。
男勝りで正義感あふれる武家の女・菊乃(きくの) は、病によって享年28で世を去るも何も未練はなかった。
――はずだったのだがその15年後、7歳の姿で江戸の町に黄泉(よみ)がえってしまった!
年相応にすぐ腹が減り眠くなり、ふとしたことですぐゆるんでしまう涙腺とは裏腹に、体はなぜか身に覚えのない怪力と験力を宿していた。
菊乃はひょんなことから、天下の降魔師(ごうまし)を名乗る、整った顔だがどこか「騙り」めいたところのある破戒僧・鶴松(つるまつ)に出会いその力を見込まれ、
自身の成仏の方法を探してもらう代わりに、日本橋の薬種問屋に出るという獣の化け物退治を手伝うことに。
同時に、生前幼くして死に別れた息子・善太郎と再会するが、旗本の嫡男のはずの息子はなぜか浪人に身をやつしていて……?
こんなバディを待っていた!
ユニークな組合せと軽妙な会話が最高な2人組による、とことん痛快でほろりと泣かされるお江戸人情×怪異退治!
第8回 角川文庫キャラクター小説大賞〈大賞〉&〈読者賞〉ダブル受賞作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
デビュー作とは思えない完成度とキャラ造形の深さに脱帽。
とにかく上手くて面白いです!
若くして死んだ旗本の妻が何故か七歳女児として蘇り、なんだかんだ降魔師と妖退治と己の半生を振り返る。
主役二人のキャラクターがありガチでなく、予想を裏切る性格、言動をしてくれて楽しく、その魅力も大きかったです。
続編出ないかなぁ。
もっと二人の活躍と、彼のその後に一喜一憂する菊乃もみたい(笑)
期待してお待ちしてます!
Posted by ブクログ
期待を裏切らない。
否、期待を上回る、「らしさ」に安堵。
鶴松と菊乃の対話のテンポ、落とし方。
腹の音(笑)
目に浮かぶ。むしろ動画で脳裏に繰り広げられる。
ポップで、しかしちゃんと時代を放り投げる事無く。
爽快。
痛快と言うには、ズシンとくる。それもまた、悪くない。
タイトルの付け方を見るに、続編は座して待つ。で、良いのかな?
まだまだ張られた伏線回収するには回を重ねるはず。
長編になればなるほど深みを増すのがこの作者の強味。
続刊、お待ちしております。
Posted by ブクログ
こんなに夢中になってラノベを読んだのは久々です。
江戸時代設定で今でいうアセクシャルと児童への性加害をも扱っているのですが子どもも大人も楽しめる、良い作品だと思います。
二組の親子が出てきて、母と子という関係性が、実の親子でもそうじゃなくてもどういうものなのか考えさせられました。
小気味良く書かれた戦闘シーンも挿絵がなくても想像できるのは自分がアニメ好きだからかもしれません。
もう少し挿絵があればなお楽しめたかも。
二十八歳の菊乃が死んだと思った瞬間、次に気がついたとき七歳くらいの子どもになってよみがえってきた意味を、最後に降魔師の鶴松が話したとき、あーよかった!これからもこの二人は一緒に弱いひとを助け悪と戦うんだなと心からほっこりしました。
そして続くんですね、この世界は。