あらすじ
「だれでも・効率よく・迷わずに。」を実現するデザインシステムの作り方
「デザインシステム」は、デジタルプロダクト開発においてその必要性や役割を言及されることが多い概念で、プロダクトを提供するためのプロダクト、またはインフラとも呼ばれ、日本の企業・組織でも導入が進んでいます。一般的には、「デザインの再現性を高め、一貫した製品体験を効率よく表現すること」を目的に導入される「ドキュメントやリソース群のこと」と説明されます。
プロダクトの重要性が増すにつれ、プロダクトが示す領域も広がり、デザインシステムが取り扱う範囲も広がってきています。見た目のデザインやUIに関するルール・ナレッジだけでなく、ブランドパーソナリティや文章の表現など、ユーザーとのありとあらゆる接点を網羅し体系化する必要が出てきているともいえるでしょう。
しかし、デザインシステムには決まった在り方がなく、組織の数だけ、その目的の数だけ形を変えます。公開されている個別のデザインシステムを見ても、今の自分たちに必要なのか、作れるのか、そして運用できるのか、疑問は尽きないでしょう。
本書は、人事・労務領域の業務アプリケーションSaaSを提供しているSmartHRのデザインシステムの立ち上げ前から、現在までの取り組みをケースとして扱いながら、デザインシステムの構想・構築・運用について、一般論を含めて解説します。まずはなにもわからなくても大丈夫。デザインシステムを始める目的と、最初に手をつけるべきコンテンツを考えるところからスタートしましょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社内の事例、いわば手の内をここまでのボリュームで詳細に丁寧に公開しようという姿勢はとにかくすごい。デザインシステムを組織に浸透させるのは相当に熱意が必要なことだと思うが、同じ熱意がこのような本をまとめようという方向にも働くのだろう。
少し説明がくどいのでもう少し端的に書いてくれればさくさく読めるのにとも思ったが、逆に言えばこのぐらいの丁寧さは必要なのかもしれないとも考え直した。
デザインシステムといえば「デザインが体系的を成立させることと、それを解説したドキュメント」ぐらいに思っていたが、ソースコードの連携も行い、管理を外部企業に委託までしているとは本格的である。
SmartHRの事例はすでに「大きく育った」デザインシステムだが、できることから必要に応じて作っていっても構わないということで、その辺りのコツも掲載されている。(書籍のタイトルからこの内容が中心かと想像していたが、実際はSmartHRのデザインシステムの中身の紹介が大半)
ライティングガイドライン、拡張色の決め方などは参考にしたい。