あらすじ
冤罪で監獄学院へ送られた皇帝候補のライアン。絶望する少年が牢獄で出逢ったのは、嫌悪する魔族の姫だった。敵対を越えた二人だけの魔術で、彼は全てを支配する力を得る――人類と魔族を束ねる覇道が幕を開ける!
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Posted by ブクログ
英雄の息子で皇帝候補なのに魔法が使えないライアン。監獄学院に冤罪で収容された彼が、同室になった元魔王のルナーラと運命の出会いを果たす事から始まる、反逆の物語。
「魔力を共有する術式」を軸に、二人が徐々に心を通わせていく展開が本作独特で良きでした。
特に、二人の信頼関係や絆の構築と並行して展開されていゆく王道のバトル展開が、丁寧に描写されており良かったです。
設定がいまいちはっきりしない所が多かったので、次巻ではより詳細に描かれることを期待しています。
突っ込みたいところが多い
展開自体は悪くなかったです。しかし、突っ込みたいところが多い。
まず主人公が髪色を誤魔化すために兜を被っていた理由の説明の浅さ。ずっと被っていたらそれについて指摘する人はいます。それについてどんな理由で誤魔化していたのかの説明もなし。
次に主人公を支援してた男が主人公に目をつけた理由が釈然としない。いくら主人公に才能があろうと、髪色がばれただけで支持者がいなくなるような奴を支援するなんてリスクが高すぎます。たとえば戦いの最中に兜が外れたら、その時点でアウトでしょう。そんな奴を支援するより、他の候補者を選ぶ方がリスクも少なく、賢明な判断です。そもそも魔法がある世界なのに、髪色を誤魔化す方法が兜をかぶるだけって「それしかなかったの??」と首を捻ってしまう。
あと、主人公の幼馴染の女の子は差別意識を持たず誰にでも優しい性格ってはずなのに、主人公が監獄に来るまでヒロインがいじめられても庇うことはなかったらしい。しかし、主人公が来てから急にヒロインに関わるようになったので、悪い見方をするなら「主人公の前ではいい子ぶりたいからそうしただけでは?」という風にも見えてしまう。
他にも色々と「なんで?」と疑問を感じるところが多い。
これがデビュー作の新人さんなので爪の甘さは仕方ないのかもしれませんが、次巻を買いたいとはあまり思えません。