あらすじ
入院した叔父に代わって飼い猫のユキの面倒を見始めた島村千鶴は、ユキの特殊能力を知らされる。ユキが許せば、霊がその体に入り目の中に姿を現して、この世の人間ともう一度対面することができるという。ただしユキが7回瞬きをする間だけ。突然死した弁護士が支えてくれた妻に。殉職した消防士が高校生の妹に。毒親に育てられた苦労人が実の母親のように接してくれた大家さんに。感謝、謝罪、告白――たとえ時間は短くとも、大切な人に今こそ伝えたい。スペシャルな猫の力を借りた再会の物語。
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Posted by ブクログ
想いを残して亡くなった人が、瞬き7回の間だけ、猫の体に入って大事な人に会うことができる。
「お布施」として猫のユキが求めるのは1番幸せな思い出を語ること。
どの思い出も温かくて、よりいっそう切なくなる。
ちょっと生意気な美猫ユキも魅力的。瞬きを我慢してくれたり、優しいところもあるし。
千鶴の心の傷も、少しずつ癒えていく。
隣人の重雄もユニーク。実際にお近づきになるのは、私はちょっと、だけど。
もしシリーズの続きが出たら読みたい。
Posted by ブクログ
人なんて単純なものでね、満腹になればいい具合に眠くなる。寝ればスッキリする。
起きたら家中の窓を開けて風を取り込む。
迎え盆には胡瓜の馬で早く走れるよう、送り盆にはたくさんのお供物を持って帰れるようどっしりした茄子を使って精霊馬を作る。
読後感がとても良い本でした。
東野圭吾「クスノキの番人」を彷彿とさせる、好きなジャンル。
どこかで誰かがきっとみててくれる、徳を沢山積んで、それが子孫に回ってくれたらと思えた。
Posted by ブクログ
なんとなく買ってみて、読んでみましたがとても感動しました。このお話の登場人物の人たちみたいに、他人の嫌なところも受け入れて、強く生きていけるようになりたいなあ…。人に優しく自分に優しくって難しいですね。
Posted by ブクログ
とても心が暖かくなる物語でした。
登場人物のイメージ像についてしっかりと説明されていたので、頭の中で場面を想像しながら読み進めやすかったです。
思わず涙が出てしまい、喫茶店で読んでいたので慌ててハンカチを取り出しました。
もう一度読み直したくなる作品です。
Posted by ブクログ
イラストレーターの千鶴はSNSの誹謗中傷から廃業し引きこもりの生活をしていた。叔父が緊急入院し飼い猫のユキの面倒を見るため叔父の家に引っ越すことに。ユキには「猫語り」という特殊な能力があり成仏できない霊を体に宿し、7回瞬きする間だけこの世の人と対面させることができる。お布施と称した「人生で一番幸せな想いで」をユキが気に入った場合のみだが。千鶴は「猫語り」の仲介役を務めることになり、対面相手と霊の思い出をイラストに描き、自分を取り戻してゆく。3話収録だがどのお布施も切なく心あたたまる話で胸に応えました。
Posted by ブクログ
人と人との繋がりってあったかいなぁ。
いいことばかりじゃないけど
想う気持ちはあったかい。
ユキは気まぐれ猫のようで
瞬きするのをプルプルしながら我慢する
とっても優しい子だった。
Posted by ブクログ
登場人物が皆さんほのぼのとした方で、優しい雰囲気の文章で読みやすかったです。亡くなった方も残された方もお互いの事を思いやっているんだなと伝わってきました。
ユキちゃんが7回瞬きをする間だけ相手と通じてられるのですが、想いを伝えるには短いのかも。一生懸命瞬きをしないように耐えているユキちゃんが健気で可愛かったです。
ちょっと生意気な所も可愛かったです。
猫好きさんにはたまらない一冊でした。
Posted by ブクログ
ユキはいつも最後の瞬きを我慢してて偉い。
私自身猫と暮らしてると、
そんな猫の姿を想像するだけでウルウルする。
亡くなった人の心残りが成就する、
ユキみたいな存在が本当にいたら良いのに。
とにかく猫が愛おしすぎる。