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Posted by ブクログ
とても良かった。
本書で取りこぼされた人たちも救われて欲しい。
僕が読み間違えているだけかもしれないが、序盤に奈月が聞いた「頼まれたからっていい大人があんなの着る?」は簾田さんへの嫉妬からくる悪口の可能性もあったのではないか。なんとなく簾田さんは美形ゆえの生きづらさを抱えていそうだと勘ぐってしまった。
雄太とトラブッた風俗嬢のエリカちゃんは記されている通り抱えているものがありそうだった。でもおそらく彼女の周りには聞いてくれる人はいない。雄太がそう慣れればよかったが、出会い方故、そうはなれないだろう。
誰しも、苦しさの1つや2つ抱えていて、出来れば誰かに聞いてほしいと思っている。
でも聞いて貰える人が近くにいるなんて、珍しいケースだ。
家族だから、友達だからこそ話せないこともたくさんあるわけで、
こんな風に語り合える仲間を現実で作るのは大変だ。
登場する生きづらさを抱えた四人は、奈月や雄太が望んだような恋人や結婚という枠を遥かに越えた、もっと大切な関係に思えた。
この関係にこそ、僕は嫉妬に似た感情を感じるが、不思議と嫌な気持ちではない。
Posted by ブクログ
生きづらさを克服する会……誰かに聞いてもらうこと、受け入れてもらうことで自分と向き合う事が出来るのかもしれないと思った。ひとりひとりが自分の気持ちに気づいて考え方が変わって行く感じが良かった
Posted by ブクログ
序盤は奈月と雄太の現状を知るだけで、自分にも覚えのあることにダメージを受けて、なかなか読み進められなかった。
しかし、薫が合流し、生きづら会の方針が定まった辺りから、加速度的に物語の吸引力が強まった気がする。生きづら会のメンバーが他人への警戒心や羞恥心を取っ払って、語りながら自分と深く向き合う姿に羨ましさを感じていたのもあるかもしれない。
タイトルのように、「死にたい」と実際に口に出して自殺未遂を起こしてしまうのが、メンバー内では一番ポジティブそうな茜だったことには衝撃を受けた。
薫が言うように、生きづらさなんて簡単に克服できないし、本当に傷ついた経験を掘り起こして他人に告白するのはとても辛い。それでも、奈月や雄太が自分の長所を活かせる仕事を模索したり、薫と今日子が歩み寄れるようになったのは、間違いなく真剣に自分と向き合ったからだと思う。
終盤で、生きづら会の存在自体が徹にも影響を与えていたことが判明し、彼の大きな第一歩で終わるのも解放感があって清々しい。
一人一人が抱えている悩みが生々しくてしんどく感じる部分もあったが、読んで良かったと思える作品だった。
Posted by ブクログ
かなりインパクトのある書名、故に手にとってみたくなりました。
生きづらさを感じる面々が集い、語らう。その語らえる仲間がいる時点でお互いが助けられているという展開に。そんな光が見えかけたと思ったら、やはり孤独だったと実感してしまったとき、所謂「魔が差す」のでしょうね、そんな心情の変化ややるせない気持ちみたいなものが読み取れました。
自己を否定せずオープンな気持ちで接することができる人がいる存在ってとてもありがたいことなんだな、と実感しました。
私をよくしてくる人達にありがとうと伝えたくなります。