あらすじ
第25回ボイルドエッグズ新人賞受賞、衝撃のミステリー!
正義感の強い秀才×美麗の変人、ふたりの高校生探偵が驚愕の事件に挑む!
舞台は鎌倉にある名門・冬汪高校。
同高二年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに、生徒や教師から依頼を受け、思ってもみない方法で解決を図る"学内便利屋"として活動している。その名も「たこ糸研究会」。会長は蓮司、副会長は麗一。取り壊しの決まっている古い校舎の一角が、ふたりの部室にして"事務所"だった。
ある日蓮司は、道を歩けばスカウトが群がり学内にはファンクラブすら存在する超絶美少女、藤宮美耶という同級生から、ある依頼を受ける。
その依頼とは――。
蓮司と麗一が依頼を引き受けたがゆえ、惨劇の幕は開く!
舞台は、鎌倉に佇む白亜の豪邸。ふたりは特異な家族にまつわる、おぞましい事件の真相をひもといてゆく。
新進気鋭の著者が放つ、渾身のミステリー!
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Posted by ブクログ
ミスリードが素晴らしかった!!
沙耶ちゃん、幸せに暮らしてそうで良かった…
お腹の音、私もすごくなっちゃう方だから、めちゃくちゃ共感しながら読んでました。
志田くん、結構嫌なキャラだったけど、ギリ許せるタイプの塩梅で、すごいキャラ作りだと感じました。意外と、すみれちゃんと気が合うのが良かった。
作者さんが後書きでバッドエンドが好きだとおっしゃってて、本当に方針を変えてくれて良かったです。バッドエンドだったら、あまりにも救いがなさすぎる。次回作は、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかわかりませんが読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ
おもしろかった。主人公蓮司くんが真っ当ないいこで好き。
途中まで全く第三者の存在を予想していなかったので、次々明かされる真相に驚いた。でも、母親の異常な締め付けに理由と利害の一致がありとても腑に落ちた。
井口くんは完全に棚ぼたのとばっちりなので、無事でよかった。
匿名
家庭という小さな箱の中での惨劇。姉妹どっちにも害のある母親であったし、起こったことは悲劇だが、あの環境から逃れられたのは不幸中の幸いかなと。
ネタバレにはなるが姉妹に罪がなくて心の底から安心しました。
Posted by ブクログ
途中まで、2人の高校生が織りなす学内の便利屋を通して解決してゆく学園ミステリと錯覚を起こすぐらいにほのぼのとした内容で、表題の惨劇はどうした、プロローグは何だったのかと思っていたら中盤から本格的に物語が動き出す。殺人に対する怖さより双子の姉妹に対する母親のおぞましさが際立っていて言葉は悪いけれど胸糞悪い展開が続く。実際の事件の背景は江戸川乱歩の猟奇的・狂気的作品に通ずるものがあると言えば言い過ぎか。ただ気になるのは麗一の推理が際立っていたのに対し秀才クラスの蓮司が普通すぎなような気が、とにかく続編に期待。
Posted by ブクログ
面白かった。本屋で見かけて気になったので読んでみたけど、読みやすいサスペンス?だと思う。
舞台は鎌倉にある名門高校。そこに通う滝蓮司と卯月麗一の2人は生徒たちからの依頼を受けて便利屋として活動している。その高校には藤宮美耶という美少女とその妹、沙耶の双子の姉妹がいた。その姉妹は異常なほど厳しい母親によって監視されており、タイトルのドールハウスは、母親のドールハウスなのかと思って読んでました。
一体犯人は…?とページをめくる手が止まりませんでした。
以下、犯人のネタバレします。
まさか先生が犯人だったとはー!犯人は誰かと考えた時に先生も考えたけど動機が思いつかなくて。まさか藤宮家が先生の娘さんのドールハウスだったなんて。偶然見かけた美耶のことを自分の人形にしたいとお洋服やアクセサリーまで送って自分好みにしてしまうなんて恐ろしい。
なんだか最近毒親の本を読むことが多い気がする。
Posted by ブクログ
高校生ホームズとワトソン的な流れで、学内の問題から殺人事件まで解決に導く青春ミステリー。
卯月麗一が謎めいたアンバランスな美形のような扱いだが、設定とテーマが青崎有吾の描く学校舞台の殺人シリーズと被る上、変人探偵裏染天馬を凌駕することがなく、なんだかどこかで読んだような…という印象。
歪み合っていた双子の姉妹が、事実を知ることで手のひら返したように互いを思い尊重し合うのも白々しく、狂気に走らざるをえなかった母親は毒親のイメージを払拭することなく退場。
どこもかしこも、もう少しでかゆいところに手が届きそうな感じ。
Posted by ブクログ
ああ……石岡くんと御手洗くんに会いたい……だけど島田荘司本は実家……実家にあるから買うのは惜しい……だがミタライアンとカズミストの血が騒ぐんだ……ああ、としているときに偶然本屋さんで目にしたこちらを、完全に表紙絵に惹かれて購入。
ボイルドエッグスは三浦しをんさん以降あまり良い出会いがないままなのでどきどきしながらの購入だったが、なかなか面白く読んだ。
何より若さ、フレッシュさが良くて、皺だらけのあちこちがピンと張られる感じがありました。
同時に、どうしてもミステリーとしても構成、キャラクター造形もまだまだ若さの方が際立ってしまう部分がありますが、そんなのいいんです!若さ素晴らしいです!勢いがあるのはいいことです!新人賞大好き!
そのためとても読みやすいです。
ミステリ初めてだけど、堅そうなのはちょっと…という中高生にもおすすめしたいです。
何といっても舞台が高校、便利屋のような立ち回りの高校生探偵(名探偵コナン愛好家としてはこの響きだけで堪らない)、そして麗しのイケメン(だが貧乏暮らしで陰陽の陰の部分あり、そしてその陰の書き分けがまだとても若くて好感が持てる)、何気に相棒の蓮司をとても大事に思っている、と簡単に挙げるだけでも探偵バディものの「好き」をくすぐる設定です。
しかし先にも述べた通り、若さ!書き慣れてなさ!ミステリ部分のライトさ!などが口に合わない方には合わないと思うので、それらをひっくるめて新人さんが作ったお料理として楽しみたい作品です。