あらすじ
「記憶にございません」「お答えは控えさせていただく」「遺憾に思う」「誤解を招いたとすれば……」「ご指摘はあたらない」等々、国会や記者会見で政治家や官僚たちが繰り出す、まったく説得力のない答弁や謝罪。近年の「ご飯論法」にも顕著な「話のすり替え」答弁――これら「何も言っていないのに、何か言ったように思わせる」「何がなんでも非を認めない」言葉を繰り返し聞かされて国民は無力感すら覚えているだろう。しかしそれこそが相手の狙いなのだとしたら? やはり、誠意のない答弁には「それはおかしい」と声を上げ続けるしかないはず。
本書では、こうした説明義務を放棄したかのような答弁を「国会話法」と名付け、そこに潜むさまざまな「ごまかし」「論点ずらし」「物事の曖昧化」テクニックを、構文解析図で可視化、徹底的に検証していく。
権力者たちが駆使する「誠意のない言葉」「怪しいレトリック」に対するリテラシーを高め、有権者としての政治への意識を研ぎ澄ますことのできる一冊。
巻末に収録した「架空国会中継」では国会答弁の見どころ・ツッコミどころの楽しみ方も解説、ニュースや国会中継に接するのが100倍楽しくなる!
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Posted by ブクログ
著者の言語センスが秀逸。
事実であるとすれば問題だ→とすれば型
遺憾である→謝罪偽装型 といったネーミングセンスが言い得て妙。
巻末の、「国会中継の実況中継」では、国会話法の使用実例が書いてあって腹を抱えて笑ってしまった。
もっともらしく答えているようで、何も答えてない。それはそれで一つの話法であるということを学んだ。
自分が騙されないためにも有効な知識だったが、この本で、こういう話法を体系的に学んで使おうという輩が輩出されないことを願う。