あらすじ
7年連続の負け犬事業を救え! 2年で黒字化できなければ閉鎖
1兆円企業のトップが下した宣告に事業再生専門家と社内ミドルがタスクフォースを結成し、改革セオリーと熱き心で驚異の復活を成し遂げた、その全貌。
シリーズ累計約100万部の名著が書き下ろしノンフィクションで刷新!
なぜ、悲惨な敗北事業の再生に戦略プロフェッショナルは挑んだのか?
世の経営者も事業再生専門家も逃げ出す仕事がある。破綻同然で死の谷の底をさまよう負け犬事業の再生だ。だが、挑む者もいる。シリーズ第2巻の本書では、40代から事業再生専門家として危機の現場に身を投じ続けてきた男が50代で最大の試練に挑む。7年連続赤字、歴代の事業本部長は改革に失敗、事業閉鎖までの期限は2年。1兆円企業が抱えた窮地の事業の再生に、一体どう切り込むのか。
本書は日本航空や日産自動車と同様に、完全復活を成し遂げた改革の軌跡を明かす唯一無二の改革戦略書+人生論である。
【目次】
プロローグ
第一章 【壊創変革のステップ・1】成り行きのシナリオ
第一節 堕ちた組織
第二節 二年で事業撤退の社長宣告
第二章 【壊創変革のステップ・2】組織を覗き・触り・嘗める
第三章 【壊創変革のステップ・3】改革フレームワークの共有
第四章 【壊創変革のステップ・4】改革シナリオを組み立てる
第五章 【壊創変革のステップ・5】トップのサポートを得る
第六章 【壊創変革のステップ・6】社員を一気に束ねる
第七章 【壊創変革のステップ・7】愚直に熱く実行する
エピローグ
本書は日本経済新聞出版社より2013年6月に刊行された『V字回復の経営【増補改訂版】』を全面的にノンフィクションの書きおろしに改め、更に「経営ノート」を始め大幅な加筆をした決定版です
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者の書籍を読むのは2冊目。
前回読んだ『戦略プロフェッショナル』もそうですが、小説仕立てでストーリーがあるので、内容がよく理解できる良書だと思います。
実企業(建設機械メーカーのコマツ)での事例をベースにしたほぼノンフィクションの内容で、V字回復の経営というタイトル通り、低迷していた事業を2年で再建するお話です。
経営におけるテクニカルな手法というよりも、いかにして「人」をマネジメントし、モチベーションコントロールし、熱意を持って、再建を実施していくか、そういった「マインド面」が色濃く出た内容でした。
あとは「問題の分析」、「計画の緻密さ」、「シンプル化」この辺りの重要性がよく分かります。
ある程度この領域に興味がある人が読めば、読後感としては、自分も頑張らないといけないなと心に火がつく内容になっています。
Posted by ブクログ
文句なく素晴らしい本。
他の方の書評に大企業あるあるがたくさん書いてあると書かれているが、かつて本書を初めて手に取った時、まるで自社のことをのぞかれているのではないかと感じるほど、リアルな記述がたくさんあり、びっくりしたものだった。
とても嬉しいのは、数年ぶりに再読してみたところ、かつてほどこの本に書かれている事が、自社に状況に当てはまらなくなっていることを感じたことだ。もしかすると、自分が勤める会社はよくなってるのかもしれない、そう思えた。
ある意味この本は、自分が所属する組織のリトマス試験紙のようなものになっているもしれない。
将来、もしかすると自分は経営の一翼を担っているかもしれない。その時には、この本で指摘されている課題が自分の会社にどの程度当てはまっているか、どれくらいその課題を克服できているのかをチェックする事が有用であろうと思う。
Posted by ブクログ
大企業病からの復活劇、本当に?と思う内容ばかりでした。
結局は人のマインドなのかと思いつつも、どのように優秀な人たちのマインドをポジティブにし、動きやすい組織にしていくのか、経営の良し悪しによる影響を間近で見た気がします。
Posted by ブクログ
人材抜擢、ストーリー設計、戦略立案、巻き込み、実行、モニタリングと詳細に記載されておりとても勉強になった。どれも小手先のテクニックではなく、顧客と競合を意識してその会社に今何が必要か徹底的に考えていた。経営手法は様々あるが、大事なことは意外とシンプルで、現場から顧客と競合を見つめ、必要とされていること•すべきことから一貫したストーリーをたてて現実とのギャップを埋めていくことなんだと思う。
また業績が悪い会社、良い会社の症状が事例をもとに語られており、自分の会社はどうか比較しながら読むと楽しい。わたしは転職しているので比較対象があるとなお興味深かった。
普段の仕事からも全体戦略、現場の動きは適切かなどの視点を持ち少しずつ視座を上げていきたい
Posted by ブクログ
経営不振の会社もしくは事業を立て直すための経営改革とはすべて並大抵ではいかない。
自分の立場でできることはなにか深く考えさせられる1冊であり、もし上の立場となったとき重要な1冊になるだろう。
Posted by ブクログ
最高にしびれる本だった。
これは2年で回復できなかったら撤退すると言われた事業を組織変革を元に変えていくという話。
通勤時に読んでモチベーションをあげていた。
マジで頑張ろうってなるし、黒岩さんカッコイイし、ああいうプロ経営者になりたいなと思うようになってきました
Posted by ブクログ
大企業あるあるが書いていて面白い。
面白いだけでなく、自分の反省にもつながり、モチベーションがあがる。
前半の戦略論と組織論に関する教訓は参考になる。(後半はサクセスストーリー)
ノンフィクションをうたっているが、社員のインタビューの受け答えが都合良い感じがして少し気になった
Posted by ブクログ
リーダー研修で女性のVPがこの本を読んだきっかけで、戦略とかVPに興味を持ったって言うのを聞いて、早速読んでみた本。
このシリーズのオレンジのやつは既に読んだことあって面白かったから興味深くかったのと、ストーリー仕立てになってるから、分厚さの割にはスルスル読める。
三枝さんの話はストーリー仕立てになりつつ、エッセンスを抑えてくれてるからわかりやすい。
保存版にしようと思う。
こういう戦略自分でできたら楽しそう!
Posted by ブクログ
日本最初のターンアラウンド専門コンサルタントと言って良い三枝さんの体験談をもとにした小説。出てくる人たちが、プロ意識や当事者意識が欠如した典型的な出来ない日本人サラリーマンと経営者ばかりで正直読んでいて、辟易としてくる。日本の経済が長ら変わらないまま失われた30年となってしまった事にも言及されているが、ここで描かれている事がその本質的な原因である事がよく分かる。こんな事が日本のそこら中で日常的に繰り返されているのだから、そりゃ国力も落ちるというもの。読んで虚しさを感じる。