あらすじ
大嫌い、大好き。――だからお願い、地獄に落ちて。
二人の少女をめぐる、運命と戦慄の「百合」×「ホラー」
30年以上、正体不明の灰色の雲に頭上を覆われている北海道F町。この町に暮らす小学六年生の遠野葵は、同級生の落合紫子が無二の親友であり、また友情を超えた感情をも抱きながら幼い日々を幸福に暮らしていた。しかし、葵が犯した過ちがきっかけで、研究者をしている紫子の父のスキャンダルが暴かれる。紫子は町中からバッシングされ、学校でも激しいいじめに遭ってしまう。葵は謝罪すらできないまま、紫子は転校して町を去る。同じ頃、町では住人が相次ぎ失踪する事件が起き、新しい担任の狭間百合が学校にやってくる。百合は葵に「私はあなたの秘密も過ちも知っている。そして私だけがあなたを助けることができる」と告げる。その言葉に従い、葵は恐ろしい儀式に手を染める。やがてついに、葵たちは運命の日を迎えることになるのだが……。スクール・ホラー、クローズド・タウン、そして儚い百合ロマン。ミステリとホラー、それぞれの読者を驚愕させる、規格外の横溝正史ミステリ&ホラー大賞「優秀賞」受賞作
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2022横溝正史ミステリー&ホラー大賞、優秀賞とのこと。
たまたま、今ならすぐ読めますコーナーに並んでいて、装画が素敵ねっと思って。
そして、この表紙の絵の二人のラストに向かうためにストーリーをねじ伏せてくる感じ。
つまり、ちょっと荒い。
どんな世界を描きたいかは、元のタイトル「狭間の世界」が近いかな。
第一章で、主軸となる狭間の世界観を。
第二章で、現実的な世界を。
第三章で、現実に同化させる行程を。
教室が小学6年生なのですが、少し大人目線。
ラストまで読みたくて読んだので期待感はある。
複雑にしたいためか名前を変えたり、親を名前で呼んだり。
もう少しですごく面白くなりそう。
Posted by ブクログ
夢と現実を組み合わせた構成は面白く、スピーディーな展開であっという間に読み終わる。一方、登場人物の存在感が希薄で魅力が少ないため、読み終わった後の余韻が残らない。
Posted by ブクログ
親友になれたはずの二人の少女。仲直りのため飼い犬の胎児を助けようとしたことから教室での少女殺人疑惑。父親の研究を引き継いで、一酸化炭素中毒で32年間昏睡するクラスの皆の夢に入る。少女の母親に恨みを抱き仲を割く。
読書を現実逃避のひとつとしてどこへでも魂を飛ばすことができたという作者の話に、いじめられていたのかなと思いました。
Posted by ブクログ
クラスで孤立し、いじめを受けていた紫子に、葵は最後まで寄り添う事が出来なかった。
紫子との関係を修復すべく、担任の助力を得た葵は思わぬ手段に訴えるが、事態は最悪の展開に……。
第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の優秀賞受賞作。
Posted by ブクログ
せっかくの面白い発想を
活かしきれていないような気がする。
中盤で悪人がほぼ明らかにされてしまうから
緊張感が削がれ
登場人物たちが何をやってももどかしく感じる。
肝心なことをはぐらかしたり
ずれた解釈をしたり…
荒唐無稽な話しをそう思わせずに
最後まで引っ張り続けるパワーと疾走感が
ちょっと足りなかった。