【感想・ネタバレ】僕らは『読み』を間違えるのレビュー

あらすじ

学生という生き物は、日々「わからないこと」の答えを探している。
明日のテストの解答、クラス内の評判、好きなあの子が好きな人。
かく言う僕・竹久優真も、とある問いに直面していた。
消しゴムに書かれていた『あなたのことが好きです』について。
それは憧れの文学少女・若宮雅との両想いを確信した証拠であり、しかしその恋は玉砕に終わった。
つまり他の誰かが?
高校に入学した春、その“勘違い”は動き出す。
「ちょうどいいところにいた。ちょっと困っていたとこなんだよ」
太陽少女・宗像瀬奈が拾い集めてくる学園の小さな謎たち――
それらは、いくつもの恋路が絡みあう事件《ミステリー》だったんだ。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

「事実は小説より奇なり」という言葉から始まったので、一行目からインパクトがあっていいなと思いました。昔の文学作品を基に日常の謎を追い求めていく今作は、謎を解く楽しさと、古典を知る楽しさがあると思います。
また、物語の構成が卓越していると思いました。最初は昔に起きた事件に対して皆で意見を出し合っていく話が展開されていて、恋が主題ではないように描かれているのが良いなと思いました。そうすることで自然と主人公である優真と同じ視点に読者が立つように設計されていますね。なので、優真の周囲にいる栞や大我、更紗……そしてなにより瀬奈の行動や思惑が見え辛くなっていると思います。
『はつ恋』『D坂の殺人事件』『ティファニーで朝食を』『無題』ここらへんの話が特に気に入りました。

0
2024年05月09日

Posted by ブクログ

日常の真実は、誰も知らない。
うーん、これはかなり良かった。噛めば噛むほど味が出てくる青春物語。
手紙の差出人や消しゴムの持ち主などの、嫉妬から来る嘘やちょっとした勘違いを元に展開する日常ミステリー風作品で、本作独特の渋い面白さを感じる作品。
恋愛系青春作品、文学作品のオマージュ、日常ミステリーという3つの要素が絡み合った作品だが、本作は物語の1つの芯に3つの要素を絡めている為か、どっちつかずにならず、各要素が見事にマッチしていると感じた。
登場人物が皆、身に覚えのある捻くれて方をしていている所も中々良かったです。

0
2022年12月04日

Posted by ブクログ

タイトルが面白い。一般的な文学の名作の、違う解釈で進めるのがなかなかに面白かった。
ただ、前半は一話完結型なのか、連作短編集なのかよくわからず戸惑いがあった。ゆったりとした日常の中を描写しているのは悪くないが推進力不足なのだ。安易にハーレム展開やラブコメ展開に舵を切らないところは評価できるものの、もうちょっと読者の気を惹くもの(例えば事件や何かしらの異変など)があっても良かったのではないか。後半に至り、様々な視点が見えてきて面白さが増してくるので前半さえしっかりしていれば……と思ってしまう。

0
2025年09月10日

「男性向けライトノベル」ランキング