あらすじ
全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。
選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏
信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
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Posted by ブクログ
これがデビュー作?
そりゃ大賞とる。
最後はある意味ショックだけど、あとから考えるとすべて納得できることばかり。
そもそも主人公夫婦のなんだか血の通ってない感じの夫婦関係に疑問を抱いたのが最初でした。
性格として執着がないと後から明かされますが、その持って生まれた性質と平和ボケした世代なので負けは確定ですよね。
火喰鳥(または同僚の人肉)を食べて戦争を生き抜いた人と子供の事を守る母親には私を含めほとんどの人は勝てないのではないでしょうか。
主人公の母親が巻き込まれていたら話は変わっていたかもしれないですがそこは北斗の策略ですかね。
伏線を確認したいので、もう一度最初から読んでみようと思います。
関係ないですが私は鳥が好きなのでヒクイドリもかっこよくて好きです。
Posted by ブクログ
結局これは北斗の思い通りになったという解釈でいいのだろうか。
夢が合間に挟まるのがまた混乱するというか考えさせられ...。
個人的にはバッドエンドだと思ってるのですが皆さんどう解釈されているのでしょう?
Posted by ブクログ
ラストーーーーーーー!!!!生の執着を「人間讃歌」として捉えている側の人間だったので、こんな嫌な感じに……できるんですねぇ……すご……というのが素直な感想。わたしならこんな風にしないなぁと思ったが、ここでこのラスト決められるのがホラーミステリ大賞の作品なのかも…と思ったり。
モチーフとしてはめちゃくちゃ好きで、先祖の日記が突然変異して現実が侵食されていくのは、面白&怖という感じで、所々に挟まる夢もいい感じ。そりゃ映画にしたくなるよねーと思いました。普通に映画みたい。
Posted by ブクログ
相手を殺すとは、戦争とは相手の未来を、その先に起こるはずだった未来を奪うということ。
本来、〇〇さんが生きていれば…というのは相手の生を願うための言葉ではあるが、一方で相手が生きていることで確かに存在しない生もあると考えさせられる。
タイトルからは良い意味で想像ができなかったが、じんわりとくるホラーでした。
火喰鳥を食べたか、食べていないか。
他人によって意図的に引き起こされた怪異というのが恐ろしい。
向こう側が正解か、それともこちら側が正解か。
Posted by ブクログ
途中はどうなるのかと思いながら読み進めたが、ホラーかミステリーか微妙なところで、評価しづらい。
明らかに怪しい人物のことも、早めに疑っているのに結局騙されているのもなんなんだろう、と思ってしまう。あとは、ヒロインである夕里子自身の意志があまりにも置いてけぼりになってしまっているような。
好きな女性を自分のものにしたいという執着があるのは分かったが、同じだけ夕里子も主人公への離れ難いという気持ちがあったように思うので、舞台装置として設置されているヒロインが悲しかった。それならまだ、戦時中の人物の「生きたい」という気持ちの強さの方が納得がいったというか。
というか、パラレルワールドの自分と対話するって何???とか。幽霊がいなくてこれは成立するってどういうこと??
前日譚の方が好みそうで、こちらを先に読んだが、北斗のことを嫌いになっているので前日譚の方をあまり読みたくないような。
Posted by ブクログ
思ったよりグロテスクで気持ち悪い。貞市が生き延びた世界線に変わっていくのがホラーだった。「籠り」という物に憑く想いみたいなのも怖いし言霊的なのも怖い。結局気持ちの弱さで最後は負けた感。スピード感はすごいです。
Posted by ブクログ
夢なのか現実なのか境目がよくわからなくなった。雄司と保の存在する世界、千弥子と貞市の存在する世界。2つの世界が浸食しあい、結局は北斗総一郎の願った現実に書き換えられてしまう。貞市の手帳に込められた思念と北斗の執念がこの有り得ない現象を起こしてしまった。
「ヒクイドリヲクウ ヤムヲエズ」こわーい!!
Posted by ブクログ
主人公視点で救いなしのバッドエンドが清々しくてよかった
ホラーってオフェンス側が有利なのに結局助かる作品が多いように感じていたのでしっくり来た
じいちゃんは助かるかは五分五分とか意味ありげな事言ってたが活躍なしで退場かい
助かるには早期に手帳燃やしてみる必要があったんかな