【感想・ネタバレ】闇に堕ちる君をすくう僕の嘘のレビュー

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Posted by ブクログ

とある目的のため、謎の少女を探る闇落ちミステリ

以下、公式のあらすじ
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幼少期に東北で両親を失い、今は都内のダリア専門店で働く二十歳の太輝は、街中で不思議な少女と出会う。
全身黒ずくめでダリアの花束を持つ謎めいた美少女・巫香。元人気子役で“魔女”と呼ばれる謎だらけの引きこもり少女に太輝は「ある目的」のために近づくが……。
前作『だから僕は君をさらう』で「大切な人を守るために犯す罪」を描き感動を呼んだ著者による最新長編。巫香が抱える衝撃的な過去と怒濤の結末に胸が震える闇堕ちミステリー。
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震災で両親を亡くした太輝
自分は叔父に、双子の月人は別の人の元へ引き取られる
全く関わりのなくなったはずの月人だが、実は太輝と密かに連絡を取っていた
しかし、その月人も高校の頃にマンションから転落して死ぬ
月人は何故死んでしまったのか?
弟の死の真相が明らかになった際に太輝がついた嘘とは?


母の友達でハウスキーパーの鈴女との組み合わせは、mediumを想像させる
なので脳内では小芝風花と清原果耶のイメージで読んでしまった

あと、ほぼ引きこもり、鋭い洞察力、一面の窓を塞いでいるという特徴
「窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを」もこんあ設定だったけど、雰囲気はまったく異なる
何とも納得のいくような行かないようなラストでしたね
ボーイ・ミーツ・ガールものでこんな結末かぁ

まぁ、タイトルの回収という意味では納得なんだけど、もっと他にやりようはあった気がする
でも、そんな結末だからこその良さもある


ピアノ連弾のカノン進行
闇に堕ちかけている人たちの互助の繰り返しという意味を含むんだろうか?



斎藤千輪さんは、ミスマーシュや食に関する日常の謎の作風というイメージがあったので、今作のテイストは意外だった
でも、ところどころに感じられる食の描写の豊かさや、人の気持ちに由来する謎という共通点は変わらないのだなとも思った


次は「だから僕は君をさらう」を読んでみましょうかね

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2023年05月10日

Posted by ブクログ

美しい罪と嘘と愛の物陰。「だから僕は君をさらう」がすごくよかったので、これ系の新刊を楽しみにしてた。期待以上の切なく優しい青春ミステリ。世界観はダークだけど、闇落ちした者を別の闇に堕ちた者が救い、また別の闇落ち者が、、と、癒しのカノン進行のような構成になっている。ミステリとしての仕掛けも満載で一気読み。辛いなら逃げてもよい、嘘だってついてもいい、助けの手はすぐそこにある、と素直に思えた。衝撃のクライマックスで涙。

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2023年01月10日

Posted by ブクログ

早くに両親を亡くし、片割れの弟も失った太輝は
17歳で不登校、いじめ、人には言えない傷を負った美しくも影がある少女、巫香に近づく。
巫香が抱える謎が全て解き明かされ、太輝が彼女についた優しくも少し読者にしこりを残してくる最後の嘘も見どころだ。
ダリアの花を中心にして描かれる人間模様にも癒される。
堕ち、純愛、ミステリと三つの要素が詰まっているためか、読後の満足感がとてつもなく大きかった。
(色々と書きたいことは多いけれどもネタバレにならない程度での感想とあらすじ。これを見て少しでも気になった方は是非とも読んで確かめて欲しい。)

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2022年12月01日

Posted by ブクログ

まだまだ6月の合同サイン会のサイン本シリーズ。
数少ないサイン会以前から知っていた作家さんの作品だが,こんな感じのストーリーは初めてだった。面白かった。なんというか状況がくるくる変わってまるで終わりが見通せない感じ。一体どんな結末が待っているのか最後までドキドキしながら読めた。こういう作品も書かれるのね。
一言でいうと「救い」の物語。二卵性双生児の兄弟,太輝と月人は両親を事故でなくした後,別々の家に引き取られ音信不通になってしまう。高校生になって兄・太輝は自力で弟と再会を果たす。がしばらくすると月とからの連絡は途絶えがちになり,ある日自殺してしまう。太輝は卒業して独立してから,月人の死の真相を調べるために月人が住んでいた街で勤め先を見つけに引っ越してくる。そこで風変わりな少女を見かけ,その子・巫香が勤め先のお得意客であったことから交流するようになる。太輝は月人の死の真相にたどり着けるのか,心を閉ざした少女・巫香と月人との関係は? 巫香は心を開いてくれるのか。
ネタバレになってしまうかもしれないが,救われるラストであった。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

17歳の少女がひとりで抱えるには重すぎる過去。

自分の正義で動く、代償、罪の償い方も相手に提示する強さもあるが、本当は辛くて助けをずっと求めていた。
殻に閉じ籠り、優しく心配してくれる相手はいつかいなくなる、それならば自分から排除しようと動いてみたり。
彼女なりの優しさでもある。

あることを隠して巫香に近づく太輝。
人と繋がること、友達を作ると依存してしまいそうだという思いがあったが、人と繋がり巫香のそばにいることで、最初の目的を忘れてはいないけれど、味方になりたいと強く思うようになり、太輝も巫香の頼み以外行動していなかったが、自ら行動するように。

巫香、太輝を、優しく見守る大人たち。

あなたには嘘をつかないと言った巫香と、真実を隠し、嘘で彼女を守ろうとする太輝。

明日(未来)ではなく、今を大事にしたいという思いでついた嘘は彼女をすくったけれど…いつかその嘘に気がついてしまったら、彼女はまたひとりになる、また自分を責めることになる…考え方(洞察力)、行動力のある彼女に隠しとおせるか…続きはないけれど、彼の嘘もまた重い。


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2023年08月20日

Posted by ブクログ

東日本大震災の2次被害で両親を亡くした双子の太輝と月人。

太輝は酒癖の悪い叔父に引き取られ、月人は東京の医師の夫婦に引き取られた。
それぞれ別の人生を歩み始めたが、高校生だったある時、太輝は月人が自宅マンションから転落死したことを知る。
卒業後叔父の元を離れ、東京で働きながら弟の死の真相を探る太輝
月人が住んでいた世田谷の住宅街にある、ダリア専門店ではたらき始めた太輝は、「魔女」と呼ばれる真っ黒なフード付きワンピースを着た美少女巫香と出会う。
異様な雰囲気を纏いながらも、何か放って置けない巫香の姿に太輝は引き寄せられ、やがて月人との繋がりが明らかになる…。

登場人物と関わりの深い、ダリアやカノンに纏わる話はとても興味深く、2人のその先が気になり読み進むのだが、流れが少し強引な気がして時々止まってしまう。
しかしYA小説とはそういうものなのかもしれない。
2023.3

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここ数カ月間に読んだ本のタイトルに「嘘」と付くものが目立ちます。『嘘つきは殺人鬼のはじまり』とか『誠実な嘘』とか。嘘の話はどれもたいてい嫌な感じに終わる。それらに比べると本作は救いがあったけれど、終盤まで先がまったく見えず、主人公の太輝と巫香の関係を見守ることになりました。

巫香の身に何が起きたのかを知ったときにはあまりに唐突な気がして、ここでこの嘘はどうなんだろうとちょい疑問。予想しなかった展開に、『3年B組金八先生』の中学生カップルを思い出したりなんかもして(全然違うけど)。売れそうなタイトルですよね。

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2023年03月13日

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