あらすじ
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「災害列島の作法」をテーマに、東日本大震災後宮城県女川町で起きた「まちづくり」の奇跡・軌跡をドキュメントとして届けます。
なぜ女川町は震災後、唯一無二の町をつくれたのか?
NHKスペシャル、書籍、週刊誌での記事など、大いに話題になったキーワード『首都水没」「水害列島」の著者、土屋信行さん。そもそもは東京都の職員として河川事業・下水道・道路・橋梁などまちづくりに従事。「首都水没」のもとになった江戸川区での海抜ゼロ事業。そして東日本大震災の時に、当時の石原東京都知事の命により、宮城県女川町の復興に取り組みました。実は東北地方の復興で、高い防波堤・防潮堤を作らず、景観を保ったまま地域の高台を活かしたまちづくりをした町は唯一この女川町のみでした。町長や職員、そして外部からのスタッフも加わり、土地を一から開発しなおすという一大プロジェクト。3冊目となる本書は「災害列島日本の作法」をテーマに、宮城県女川町で起きたまちづくりの奇跡・軌跡をドキュメントとして届けます。
土屋 信行(ツチヤノブユキ):工学博士。
1975年東京都入都、道路、橋梁、下水道、まちづくり、河川事業に従事。この間環状7 、8号線の設計・建設、下水道処理場・ポンプ場の設計・建設、多摩ニュータウン、つくばエクスプレス六丁目土地区画整理事業、秋葉原および汐留再開発事業、江戸川区の「ゼロメートル地帯」安全高台化土地区画整理事業のまちづくりに携わる。ゼロメートル地帯の洪水での安全を図るため2008年に江戸川区土木部長として海抜ゼロメートル世界都市サミットを開催し幅広く災害対策に取り組んでいる。東日本大震災の復興では学識経験者委員として宮城県女川町のまちづくりに取り組んだ。現在、公益財団法人リバーフロント研究所技術審議役、一般社団法人全日本土地区画整理士会理事、日本河川・流域再生ネットワーク代表理事、水の安全保障戦略機構・水害BCP推進チーム事務局長、ものつくり大学非常勤講師。
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Posted by ブクログ
東京都でのインフラ整備やまちづくりの経験・知見をもとに、三陸・女川町での震災復興にアドバイザーとして関わり、土木的なことのみならず生業の復活を優先したこと(漁業関連施設)、避難を定着させるべく幸男の祭りを行うこととしたこと、まちづくり住民カルテとして区画整理に関する一人一人の希望を繰り返し聴取したこと――等、
数々の重要なアイディアが示されており、区画整理等の都市計画関係の技術・ノウハウとくみ合わせてフル活用されている様子も含め、感銘を受けた。
2019年東日本台風の各地で「土のう積み」が行われていなかったことへの指摘・警鐘もそのとおり。首長さんに認識していただかないとな。
また、女川町の安住町長の「いち早く目標を立てて住民に示す」姿勢にも、リーダーの在り方を学んだ。
後半では東京都での区画整理の経験に携わったころの話が、具体的に(失敗も含めて)克明に描かれていてとても面白い。ニュータウン(京王の幻の駅)の話は、まちの将来像を描く上での行政職員の裁量や地元の有力者との調整の様子(ドラマのような展開)には驚くし、汐留と新橋西口の事業では賃貸ビル契約や会社設立までやるのかと興味深かったし、ウィンズのあたりはよく見てみたくなった。
住民の人生そのものを引き受けるのがまちづくりだとか、縁の下の力持ちとか、土木の「心」さえ伝える、素敵な一冊。