あらすじ
私が神坂怜としてVTuberデビューして早4ヶ月。最近はmikuriママからもらった新衣装をお披露目したり、先輩たちとFPSの大会に出たりと楽しいVライフを送っていた。そんなある日『あんだーらいぶ』から二人の新人がデビューすることに。男女ユニットということもあり二人が炎上しないよう陰ながら支えるつもりだったのだが、なぜか生配信中に新人女子の東雲愛梨嬢と突発通話をすることになってしまった!? さらに彼女が相方の前世をポロリしてしまってもう大変! 案の定燃え始めた後輩たちを守るため、私は慌てて鎮火作戦を練るのだが――!?
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VTuberを題材としたWEB発お仕事コメディ。
過労で倒れたことを機にブラック企業を退職したシスコンアラサー男が、ひょんなことからVTuber神坂怜としてデビュー。
基本的に有能だが堅物で、演者よりも裏方向きキャラの男を配信者として主人公に据えているのがこの作品の特徴。
女性Vばかりの箱でぽっと出の男性Vとして視聴者の反感を買い、炎上、炎上の日々。
これといった面白トーク等もない虚無配信で低評価を稼ぐ日々。伸びないチャンネル登録者数。
そんな逆境も社畜時代に鍛えられた鋼メンタル(妹ちゃんのコメントだけはあっさり貫通してしまう)で淡々と活動を続けるうち、少しずつファンが付くようになり…。
本作はVTuber神坂怜と、その配信の視聴者やSNS等を通じた関係者らとのちょっとしたやりとり、掲示板での視聴者同士の交流の様子にクスっとしたりほっこりしたりを味わう作品となっている。
気が付けば読者もすっかり神坂怜のファンになっているかもしれない。
昨今増えつつあるVTuberものの中でもイチオシ。
感情タグBEST3
匿名
今回も色々小ネタを挟みながら、色々やってましたね。
ゲームはAP◯Xでとマイ◯ラですかー
前者はやってたから、直ぐに分かったけど、マッチしないで三桁時間も練習とか苦行過ぎる。
最後の事故に遭われた女性の話が地味に良かった。根強いファンは皆拗らせてるのがよく分かった(笑)
んむ、
ガチ恋ネキさんのお話だ!
このコテハンは誰だろう、と思ってましたが…
救われているのなら、良かった…
お祭り成功、おめでとう。
Posted by ブクログ
相変わらず面白いですわ。炎上ネタが減って、箱内でいちゃいちゃしているエピソードが増えた感じ。で、炎上ネタが多かった今までのお話より、個人的には好み。
ずっと同じ調子て展開してゆくので、一日にちょっとづつ読んでゆくのがいい感じ。
Posted by ブクログ
VTuberをテーマにした好評シリーズの3巻は、過去最大級の加筆が行われている模様。
ざっと見すると、トピックは
・あんだーらいぶ男子組によるFPS大会
・登録者1万人突破&新衣装公開
・後輩二人とのコラボ(声劇)
・新人の加入(御影和也、東雲愛梨)
・FPS大会お疲れ会の焼肉オフコラボ
・新人組主催の秋祭り
といった感じ。
単話で物語るタイプの作品ではあるが、なかなかトピックの多い一冊になっている。
ネット版からの加筆部で目に付くのは
・アレ×すこコラボ(4話)
・声劇回の、描かれなかった実際の配信模様シーン
・ミカァ!の過去掘り下げ(閑話 胸中)
・少し遅れて収録された「閑話 とあるリスナーの話」の後半部
といったところだろうか。
私と同じくアニメイトで買った方は、特典の「御影和也のあんだーらいぶ裏事情」も含めて彼が存在感があった印象だろう。
ちなみにこの特典、あんだーらいぶのディスコの愉快で心温かい親交模様が垣間見えるので、割とお勧めしたい。
一冊の本として見ると、やはり前半部のFPS大会が大きいだろう。
後半にそのお疲れ会をしているのも含めて、この巻のメイントピックに近い。
シリーズ全体で見ても、ここでの男子組の盛り上がり方は特筆すべきエモさである。
加筆はあまりなかった印象があるが(※あくまで印象)、ネット版からして完成していたエピソードだから、そのままの収録は納得である。
一方、「閑話 胸中」で掘り下げたことで、新人組である御影和也&東雲愛梨についても踏み込んで描かれていた印象がある。
それに対応して、「24話 打開策」でもミカァ!の印象ややり取りが加筆されているのは印象的だ。
書籍化に際して意図して新人組をピックしている風に見える。
FPS大会のエモ、数々の加筆や特典、新衣装のイラスト、解釈一致でしかない新人組やアレちゃん&ひまりんのキャラデザ。
書籍化の面でもイラストの面でも、優れた書籍化作業が為されている印象である。
込々で見て、ここでは星五つで評価している。
作品の性質上、やや淡々とした風情もあるが、それゆえに浮き出る滋味もある。
今巻でもそうした魅力が見られた巻だった。良い読書をさせていただいた。