あらすじ
八王子署の新人刑事・祝依 然(いわい ぜん)は、首吊り死体発見の報を受け、現場に急行する。
先輩刑事の相田は自殺で処理しようとするが、祝依はこの事件が他殺だと知っている。
部屋の隅に佇む、男性の霊が見えるから――。
しかし事件性を主張するも、先輩に一蹴されてしまう。
そこに現れたのは、担当の解剖医・霧崎真理(きりさき まり)。
八王子医大病院の法医学教室に所属する、風変わりだが凄腕の解剖医だという。
ゴシックロリータファッションの上から白衣をまとった彼女は、この死体が他殺である可能性を指摘し……。
「生きている人間は嘘を吐きますが、死体は嘘を吐きません」
傷を抱えたバディが、事件にメスを入れる! 注目の法医学ミステリ。
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Posted by ブクログ
死者が見える新人刑事と、ゴスロリを着こなし人を寄せ付けない法医学者の一風変わったコンビもの。
解剖学に基づく知見・推理力をベースに事件の真相を解き明かしていくストーリー。解剖シーンの丁寧な描写や登場人物たちの疑わしさがテンポ良く展開され、どんどん引き込まれました。
物語の中で描かれるマスコミとSNSによる過剰なバッシングは近年社会問題になっている事例でもあり改めて考えさせられましが、その被害について異なるキャラが似た言葉を用いて長文で訴えかけるシーンがあり、作者の思想を感じてしまったのは残念。物語の山場となるシーンだったのでスッと現実に戻されるような感覚を覚えました。