あらすじ
こんな数学の問題を見たことはありますか?
四邊形ノ各邊ノ長サ夫々一定ナルトキ其面積最大ナルモノヲ求ム。
では、これはどうでしょうか?
Calculate the value of log1.5 to 3 decimal places.
どちらも、現代の大学入試数学ではまず見ることのできない問題で、
かつ、実にシンプルな問題文でありながら、けっこうな難問です。
これらは、およそ100年前の東京帝國大学の入試数学の問題です。
1つ目は昭和十年(1935年)の農学部、
2つ目は大正十年(1921年)の理学部物理学科
の入試でそれぞれ出題されました。
これらに限らず、当時の東大入試数学には、
現代では見ることのできない難問や驚かされる問題が
数多くあります。
本書は、その中から
当時のトレンドであった「積分」をはじめ、
選りすぐりの100問を集めて解説したものです。
収録した問題の出題年は、
明治三十九年 (1906年)から昭和十年(1935年)までに及びます。
シンプルな設定ながらも頭を悩ませる良問。
古めかしい問題文。
本書に収録された
そんな“ディープすぎる難問・奇問100”を前に、
あなたの数学脳はパニック寸前!?
100年前にタイムスリップし、
当時の東大受験生になったつもりで
ぜひともチャレンジしてみてください。
そして、数学の面白さ・楽しさを存分に味わってください。
明治・大正・昭和初期の東大生がうなった
“思わず二度見”の問題を受けて立つ!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本書は,東京帝國大学の入試問題の解説という,ニッチな分野の開拓に成功した本だろう。問題は解析学の分野についてピックアップされており,学部レベルの微分積分や力学の分野も混ざっている。
解読のほうが大変だった…
試しにいくらか問題を解きましたが、問題文は原文のままで出るので、翻訳の補助はありますが、問題文を読み間違えることがとても多かったです。
問題の内容ですが、物理や化学などの内容や今の大学1年生で習う内容が想像よりも多かったです。今の入試に使われる数学の範囲に収まる問題だけで言えば、問題の難易度自体は現代の東大数学よりもほんの少し簡単な気がします。もちろん今では見ないようなユニークなものが豊富にあり、読んでいて飽きることなくとても面白かったです。
Posted by ブクログ
東京大学の昭和時代の数学の入試問題を収録している。
今の問題と比較すると、問題の哲学が昔はより明確にあったのだな、ということがわかる。
あぁ、Helmholtz方程式ね、つまり数学の入試では物理学的な知識も必要だし、東京大学は今、そのような人を求めているのね、とか。