【感想・ネタバレ】複雑性PTSDの理解と回復 子ども時代のトラウマを癒すコンパッションとセルフケアのレビュー

あらすじ

複雑性PTSD(C-PTSD)は、小児期に親や養育者などからの虐待やネグレクト、DVなどのトラウマティックなできごとに繰り返し長期にわたってさらされることによって起こる。子ども時代に身体と心に深刻な影響を受けるとおとなになっても他者への不信感や不安定な体調や情緒に苛まれ、自分自身を責めたり傷つけたりすることがある。
本書では、ソマティック・アプローチとマインドフルネスを基盤としたトラウマ臨床で成果を上げている著者が、複雑性PTSDの症状やメカニズムをわかりやすく説明したうえで、自分にコンパッション(思いやり)を向けることに焦点をあてて、身体と心を癒していくセルフケアのスキルを紹介している。
よくみられる症状や感情調整、対人関係の問題などへの対処法、また、複雑性PTSDをかかえる人の体験談を自分のペースで読み進め実践していくことで、子ども時代のトラウマから自分の人生を取り戻すための道を歩むことができるだろう。

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Posted by ブクログ

本のページは200ページに満たないが、内容としてはかなり濃いものになっている。
第一章では複雑性PTSDの説明から始まり、その後の各章では複雑性PTSDの解離症状や情動調整不全など代表的な症状に感じてのエピソードと癒しの方法が記されている。
癒しの方法はソマティックアプローチやマインドフルネス、EMDR、弁証法的行動療法などの考えが取り入れられている。
何よりいいなあと思ったのは章の終わりに近づくにつれて、選択権を取り戻すこと、自分の人生に対する責任感を高めること、境界線を強化することを強調し、自分の人生の舵を切っている感覚を取り戻す重要性について記されていたのがよかった。

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2022年11月23日

Posted by ブクログ

c-PTSDの方が中心に取り上げられた本。
文中の"自分を裏切った世界に対して心を開くことは不安"という言葉がとても響いた。
安心感を獲得する、自分の人生を自分の手でコントロールできるようになる、などの表現をすると取り組みによって+されていくように聞こえるけど、一方では、得たかった物を喪失している自己を認識し受け入れなければいけない事でもある。
悲嘆のプロセスなんだなぁ、と感じた。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

解離など専門的なことにも記述されてたり、癒しの方法などもたくさん載っていたので良かったです。特別斬新な事が載っていたわけでもないけれど、やはり地道に癒しのプロセスをやっていくことが大事だなと改めて思えました。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

丁寧に書かれているなという印象の本。
タイトルは複雑性PTSDだが、解離や抑うつなどにも触れらていていて良い。また、複雑性PTSDの症状ごとに各章が割り当てられていたので、症状別にどう対処していくのかが理解しやすい。
専門的すぎず、目新しさもないので自分にとっては物足りない部分もあったが、かと言って陳腐な記述もなくてちょうどいい塩梅の内容でよくまとまっていた。エクササイズもそこそこある。

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2023年07月16日

Posted by ブクログ

様々な反応は防衛であることを知り、本当の感情を受け入れられるようにする。今に注目し、自己コントロール感、自己選択感をもつ。自己分化度を高め、自己と他者の境界線をひくこと。


闘争 批判的、怒ったり激昂。怒りと付き合っていく方法を学ぶ。自他境界をしっかりと。
逃走 意識がとびそう、頭が真っ白。マインドフルネスで今ここを意識。
媚びへつらう 脅威の源である相手をなだめたり、喜ばせようとする。自他の境界線を築き、自尊心を高める
凍りつき 固まる。深呼吸など癒しの動作
失神 吐き気、めまい、視力障害など。リラックスできる手がかりに注意を向ける。安全を感じられる人とつながる。

分離すること、境界線を引くことが大事

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2022年09月15日

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