あらすじ
「好き」を忘れた薄情なあなたへ
薄情だ。「神さま」を忘れるなんて――。「推し」を失った少女・ミズウミは今日も死んだアイドルに扮して、世間を欺く。拒絶と信仰の狭間で熱狂する人々。純粋すぎる少女の想いは、しだいに周囲の人間をも呑み込んでいく――。予測不能のアイドルジュブナイル、第2巻!!
(C)2022 Eke Shimamizu
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Posted by ブクログ
あの流れでラジオ局から無事に帰れてしまうのか……。警備がザルなのか、誰もミズウミが作り出す世界のスピードに付いて行けないのか……
しかもその流れで更にゲリラライブをしようとなれば、もはや心臓が鋼鉄で出来ているんじゃないかと思えてしまうよ……
ソラに擬態してソラを知る者の心をギッタンギッタンにしていくミズウミ。その破滅的なアイドル道が何処へ至るのか全く見えてこない。それが恐ろしくて、そして魅惑的
ただ、個人で動画上げてゲリラライブする程度じゃ限界が有ったのも確か。そういった意味ではアイドルプロデューサーの力を借りるのは時間の問題だったし、リスクを恐れないプロデューサーがミズウミに注目するのも時間の問題だった
そうして時間が容赦なく進んでしまうなら、本来は騒動の渦中にいるわけではないレンジュが弾き出されてしまうのも自明の理
だからここでレンジュに求められるのは弾き出されても渦の中に戻る覚悟と理由。でもレンジュはミズウミの事なんて何も知らないし、ソラに夢中だったわけでもない
レンジュの中にあるのは人の心をぶっ壊すミズウミに魅了された魂だけ。だから自分の価値を証明しなければならない場面でも出てくる言葉は薄っぺらい
でも、そんなレンジュをミズウミは必要とするのか……。ミズウミは雰囲気や思想はソラにそっくりだけど、持っている素養までは擬態できない。だから欠けている部分を他から補う必要があって、それがレンジュとなるのか
まるで神様に救われたみたいな展開。でもレンジュ自身の力で勝ち取ったものでない限り、いずれ限界はやってくるよなぁ……
同時に描かれるのはミズウミと戸塚が作り出す渦に巻き込まれることになった元ポラリスの心境だね
スバルはこの状況を面白がっているというか自ら飛び込もうとしているようだけど、常識人的な部分を持っているらしいナギサはこの状況についていくのが難しそうだ。まあ、難しいだけで渦の中に入れている辺り、この人はこの人でアイドルなんだろうけど
戸塚プロデュースにより刻々と近づくポラリス再結成。その時に人々は何を見て何を感じることになるのだろう……
現代においてはロボットやAI、バーチャルアバターがアイドルのように歌唱する場も増えてきたし、長寿バンドの亡くなったメンバーを映画の企画で役者が補う場合なども存在する
けれど、あるアイドルの死を社会的に認知した状態でそのアイドルに一般人が擬態した時、それでも人々はそのアイドルを偶像として愛することが出来るのだろうか?本作が何処を目指しているのかまだ判らないけれど、このゾクゾクした恐ろしい感覚が自分の期待している光景を形作るのか、それとも上回ってしまうのかどうにも期待してしまうよ
そういや、ヒマワリが指摘していたミズウミがこれまでの活動を許されていた理由や背景って何か有ったりするんだろうか?
考えてみれば冒頭のラジオ局から何事もなく帰れている下りも可怪しいし、ヤバい活動を繰り返してきたミズウミがあっさり事務所に入れているのも可怪しい
また、未だ明かされないソラの死がどのようなものであったかも気になってしまうね