あらすじ
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日本一マネされる声優・若本規夫76歳初の自叙伝。人生論、演技論、出演作秘話。50年の声優人生、すべてを語る!
日本一マネされる声優・若本規夫76歳。
『サザエさん』アナゴ、『ドラゴンボール』セルなど国民的アニメの名脇役、
海外ドラマ『プリズン・ブレイク』ティーバッグなどクセのある悪役、
バラエティ『人志松本のすべらない話』などの個性あふれるナレーションで、
声優活動50周年を迎える今も現場に引っ張りだこ。
その節回しは「若本流」「若本節」とも言われる。
早稲田大学法学部卒、警察官など複数の職業を経て、20代後半で声優界の門を叩いた異色の経歴の持ち主。
50歳直前で、新規の仕事がパタッと来なくなるという危機を経験。
そこから自己を見つめ直して、体と呼吸を鍛えることで仕事が激増、トップ声優の地位に上り詰めた。
数々の転機を乗り越え、危機を力として再生してきた人生には、芸の道に生きる人のみならず、
すべての現代人への希望やヒントが詰まっている。山寺宏一、井上喜久子らのインタビュー、羽佐間道夫との対談も。
若本 規夫(ワカモトノリオ):1945年10月18日生まれ。山口県出身。シグマ・セブン所属の声優。主な出演作はアニメ『サザエさん』アナゴ、『ドラゴンボールZ』セル、『トップをねらえ!』オオタ・コウイチロウ、『銀河英雄伝説』オスカー・フォン・ロイエンタール、『カウボーイビバップ』ビシャス、『うたの☆プリンスさまっ♪』シャイニング早乙女、『銀魂』松平片栗虎、『戦国BASARA』織田信長、ドラマ『プリズン・ブレイク』セオドア・“ティーバッグ”・バッグウェル、バラエティ『人志松本のすべらない話』『ウワサのお客さま』(いずれもナレーション)ほか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
早稲田大学法学部卒、警察官など複数の職業を経て、20代後半で声優界の門を叩いた異色の経歴の持ち主の自伝です。
「鍛錬」「呼吸」という言葉が頻繁に出てきたのが印象的。
かなり手厳しいことも書かれていますが、それだけ真剣に仕事と自分に向き合わなければ、声優業界で生き残るのは難しいということでしょう。
Posted by ブクログ
なぜ「若本節」は成立するのか
――逸脱と制御の境界線としての『若本規夫のすべらない話』
若本規夫のすべらない話は、
一見すると雑談的で軽妙なエッセイ集に見える。
しかし読み進めると分かるのは、
そこにあるのが単なる“面白話”ではなく、
**「逸脱を成立させる条件」**
そのものであるという点だ。
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若本規夫という存在は、
声優業界の中でも極めて特殊である。
* 強烈な個性
* 圧倒的な存在感
* 誇張された表現
* 独特のテンポ
いわゆる「若本節」と呼ばれるものだ。
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だが重要なのは、
これが単なる暴走ではないという点である。
ここに第一の逆理がある。
自由奔放に見える表現ほど、
実際には
**極めて高い制御の上に成立している。**
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本書を読んで感じるのは、
若本規夫という人が、
“好き勝手やっている人”ではなく、
**空気と境界線を理解した上で逸脱している**
ということだ。
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つまり、
* どこまで崩していいか
* どこで戻すか
* どこで締めるか
を感覚ではなく、身体化している。
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ここが重要である。
現代では「個性」が重視されやすい。
しかし実際には、
**制御できない個性は成立しない。**
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ここに第二の逆理がある。
型破りに見える人ほど、
実は
**“型”を深く理解している。**
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これはこれまで団長が追ってきた、
* 継承
* 現場
* 運用
* 距離感
とも繋がる。
なぜなら若本規夫という存在は、
**「自由」と「秩序」のバランス**
そのものだからだ。
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さらに本書で印象的なのは、
“面白さ”の作り方である。
若本節は偶然ではない。
* 間
* 温度
* テンポ
* 外し方
が極めて計算されている。
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ここに第三の逆理がある。
自然体に見える表現ほど、
実際には
**長年の積み重ねによって作られている。**
---
つまり「若本節」とは、
天性のキャラクターではなく、
**長い現場経験によって形成された運用結果**
なのである。
---
だからこそ簡単には真似できない。
表面だけを模倣すると、
ただの過剰演技になる。
しかし本質はそこではない。
重要なのは、
**“どこで崩し、どこで戻すか”**
という制御能力である。
---
ここで終極に至る。
個性とは、
好き勝手に振る舞うことではない。
むしろ、
**制御された逸脱**
こそが本物の個性になる。
---
だから若本規夫という存在は、
単なる“濃いキャラクター”では終わらない。
それは、
* 型
* 制御
* 現場
* 積み重ね
を極限まで身体化した結果なのである。
---
ゆえに結論は一つだ。
「若本節」とは、
**自由を成立させるための高度な制御技術**
そのものだったのである。
――それが、『若本規夫のすべらない話』が面白い理由だ。
Posted by ブクログ
未熟児として生まれた話から、早稲田大に入り少林寺拳法に励んだ話、警察官や日本消費者連盟での仕事を通して自分には合わないと悟った話、で全体の半分。
そして声優になって順調だったが、47〜8辺りで新規の仕事依頼が来ないことに気づき、50歳の決断。
そこからは呼吸法など様々なボイストレーニングに繋がる修練に手を出していった話が面白い。
時には高い受講料を払って習いに行くが、その習い事自体に引きずられるようでは駄目、あくまで声優の鍛錬としての習い事、と割り切ったことも書いてあり、それら含めた姿勢が凄い。
羽佐間道夫さん、井上喜久子さん、山寺宏一さんのインタビューもあり。
ティーバッグの話も少しあって嬉しかった。もっと聞きたかったが笑
Posted by ブクログ
非常に参考になった。声優の仕事だけじゃないけど、その仕事が向きか不向きかは自ずとわかる事を再認識した。そして、自分が足りなかったところが見つかった際、なにか有益なことがわかったら、すぐに動くってところが、今の人にはないことなんじゃ、と思った。
鍛錬をしていたとされる時期はネットがなく、書籍や新聞で見つけ出したっていうのは、かなりの勤勉家なのかなと。
最近のお仕事のことも書かれていて、若い人にも読んでもらいたいんかなと少し感じた。
Posted by ブクログ
個人的に好きな声優さんのエッセイということで、恐らく最初で最後の出版物になるだろうと踏んで購入した。
序盤はダルい自分語りが続き、期待は持てなかったが、中盤以降のトレーニングの話題になると、途端に話の密度が上がり、とても常人には理解できない遥か高みの体験の数々にとてもワクワクした。若本さんの言っている意味がわからなくなる。非常に感覚的な話をされている。真似しようとしてもできない。