あらすじ
※本書は、昭和51年7月に刊行された角川文庫『壺中美人』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。
陶器収集で有名な画家が自宅のアトリエで何者かに殺害された。
現場におもむいた金田一耕助は、聞き込みを続けるうちに数日前、テレビで見た“壺中美人”と称する曲芸を思い浮かべる。
なんと発見者のたえは、血にまみれたパレットナイフを握りしめたまま、身体をねじまげ壺の中へ入っていく女の姿を見たというのだ!
表題作ほか奇妙な廃墟で起きた殺人事件を追う「廃園の鬼」を収めた、愛と裏切りを映し出す、横溝正史の傑作推理。
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Posted by ブクログ
中編の表題作と短編の『廃園の鬼』を収録。
表題作『壺中美人』は、陶芸蒐集家の画家がアトリエで何者かによって殺害され、その真相を金田一耕助が解き明かすというもの。犯人が凶器を持ったまま現場にあった巨大な壺の中に入ってこうとする奇妙な姿が目撃されていたのだが……。
目撃者と犯人がグルだったため、話がややこしくなるも、ちょっとした違和感から犯人まで辿り着いた金田一耕助の推理力が冴え渡る1作。
短編の『廃園の鬼』では、精神を病んでしまった男が残した不気味な廃墟で殺人事件が起こる。証拠と思しきものが多く見つかるが、金田一耕助の力を持ってしても解決に至らず迷宮入りへ。
しかし、最後の数ページで真相に辿り着いた金田一耕助が犯人に当てた手記で真相が明かされる。
2作とも読み応えたっぷり、横溝正史のエッセンスがふんだんに盛られていて満足できる1冊。
Posted by ブクログ
表題作はこの作者のよくある男色が出てきたりして
まあ、こんなもんかとは思ったけど
もう一つの短編『廃園の鬼』は犯人の動機は??だけどまとまりがよく読みやすかった。
この話、何かで見たり聞いたりした記憶はあるんだけど思い出せない。。。