【感想・ネタバレ】もし、プロのスコアラーがあなたの野球チームにいたら何をやるか?のレビュー

あらすじ

<アマチュア野球にはデータ分析への「誤解」がある>

プロ野球ならいざしらず、アマチュア野球に関していえばデータ分析を取り入れるのが難しいというのも理解できます。まず、そもそも人手が足りません。もちろん、時間もお金もないでしょう。状況的に、データ分析すること自体が難しいのです。「データがあれば有利になるけれど、とてもじゃないが手がつけられない」というのが実情だと推測します。

確かにそのとおりです。後述しますが、わたしはこのなかでも、特にデータ分析を担う人手を確保することについては、もっともハードルが高いと考えています。

その一方、「最初からあきらめるのは、もったいないことではないか?」とも思っています。なかなか一歩目を踏み出すことができない背景には、「そこまでする重要性や必然性はないのでは?」と思ってしまう「誤解」があるからだと見ています。これまでに、わたしがよく耳にしてきたものをいくつか挙げてみましょう。

1、アマチュア野球の多くはリーグ戦ではなくトーナメント方式による一発勝負なので、データを取る意味がそこまでない。
2、データ分析をするには、ひとつの相手に対して複数の試合データを取らなくてはならないので、とてもやりきれない。
3、映像がないとデータは取れない。映像を撮るための道具や設備がない。あるいは、ルール上、映像を撮ることが禁止されている。
4、そもそも、正確なデータを取れない。そういった能力を持った人材がチームにいない。
5、データ分析をして攻略のプランを立てたとしても、そのとおりに選手が動けない。

ざっと、このようなところでしょうか。これらの誤解に対して、本書で一つひとつクリアにしていきます――(第1章より)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

元巨人スコアラーが教える野球におけるスコアラーの役割。プロであってもアマであっても目の付け所は変わらない。目からウロコの一冊。
野球観戦の視点が深くなること間違いなし。

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2024年09月09日

Posted by ブクログ

長く巨人でスコアラーを務め、WBCでの経験もある著者が長年の経験から得た知識をアマチュアチームでも活かせるように解説した一冊。

少しのデータやトーナメントなどの一発勝負でもデータが重要になることを感じました。
そしてグラウンドの上でも照明や芝の具合など様々な要因でプレイが左右されることやそのシチュエーションでの練習方法などプロのスコアラーならではの知識を身につけることができました。
土、人工芝、天然芝やグラウンド状態からの打球のスピード、フェンスとの距離、マウンドの高さなどの環境面から球種、コントロール、カウントなど投手の分析や小さな工夫で好投手を攻略することや投手の癖の見抜き方、打席での仕草やボールの待ち方からみるバッターの攻略など実践的な知識を攻撃、守備の両面から満遍なく学べました。
また、手に入れた情報をどのようにして選手に伝えるからも書かれていてチームを強くするためのテクニックも知ることもできました。
また配給チャートの書き方やバッターボックスを5分割して狙いを明確することなど実践的な対策の立て方も学ぶことができました。
著者が現役時代の選手のエピソードも多く書かれていて発見も多くありました。

本書を読んで事前の準備が次のプレイを読むことにつながることを感じました。
そして練習の姿でもチームの弱点を見つけることができるということも感じ、プレイだけでなく、仕草や行動なども勝負の明暗を分けることに繋がると感じ、野球の見方の幅がグンと広がると感じた一冊でした。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カウントの考え方は4つ。①打者有利(ボール先行)②投手有利(ストライク先行若くは平行カウント)③初球④フルカウント
それぞれのカウントの時、何を投げることが多いかを分析する。

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2022年11月22日

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