あらすじ
人外が人間になるための女子校――不知火高校。人間関係にトラウマを持つ俺は、そこで接した人外女子たちを通じて人間を学びながら、無事に1人の卒業生を送り出したのであった。そして今年は新たにドラゴン族の龍崎カリン、ネズミの根津万智、黒ネコの黒澤寧々子を上級クラスに迎える。だがその3人は、昨年までの人外生徒たちよりも問題児ばかりで……?
2年目の人外教室。人ならざる女子たちが人間になりたい理由、願い、想い――今年は、いったいどんな1年になるのだろうか。彼女たちの「人間になりたい」という希望を、人間嫌いの俺が導いてゆく――
これは、異世界ファンタジーでも、人生やり直し転生でもない。少し変わった学校で、人間を目指す人外女子たちと送る、ただの教師の物語――第2弾!【電子限定!書き下ろし特典つき】
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Posted by ブクログ
主人公が赴任してニ年目となり、新しい生徒と共に一年を過ごす物語。
正直に言うと、一作目より心が揺れ動かなかった。設定上仕方ないことであるが、舞台となる場所やイベントが限られすぎていて、一巻で見たように思える話が多かった。余計なことかもしれないが、ヒトマ先生との物語のおかげでできた新しい行事やちょっとした小物などがあるといいのかもしれない。
また、一作目と比べ、元々人間的・性格的に足りないというキャラが少なく、先生が生徒を知る話になっているようにも思えた。万智の話が特にそうで、成長や変化が分からなかった。回想で人物の深堀りをすることも多く、置いてけぼりを感じた。加えて、教師という特性上仕方ないのかもしれないけど、生徒の成長の瞬間に一緒にいられないため、いさきのことや龍崎のことが、ただの事後報告のように見えた。一作目のように生徒と劇的な状況を助け合って乗り越えることが少なかったのが残念だった。
後、細かいところではあるが、章ごとにある三題が以前は上手く本編に絡んでいたが、今回は検証した訳ではないため違う可能性もあるが、章の始めに三題に関しての言及がなされていることが多く早めに処理しているような印象を受けた。
ただ、一作目と比べ主人公や人間と人間以外の種族の違いに関して深堀りされていてよかった。後悔をやり直すに関しての考えの違いが、次の巻に繋がることもとても面白かった。