【感想・ネタバレ】パイナップルの彼方のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

20代前半の悩めるどこにでもいそうな女子たちの、浮き沈みの激しい心と生活が丁寧に描かれた作品。
ちょっと昔に書かれた話だから、いまの時代とは違うところが多いけど、それがまたいい味を出してるのよ。
なかなか電話が繋がらなくてもどかしいとか、ワープロ使ってるとか、四大卒女子がちょっと珍しい感じとか。

23~4歳の深文は、自分のキャラを理解してて、彼氏にどう甘えていいかわからない。かわいい発言はキャラじゃないけど、泣きたいときだってある。でも、そういう時に限って頼ろうとする相手はみんなトラブルを抱えてる。
深文の先輩サユリさんと、後輩日比野とのやりとりが好き。どっちもいそうなんだよぁ。一見大人しくて淡々としてるサユリさんみたいな人が地雷系なのは、いつの時代も変わらないかもしれない。傍から見てる分にはおもしろい。深文の気持ちがわかるけど、痛い目見ることになるとは誰も思わなんだ、、、笑

最後に深文がハワイに行って終わるのはなんか嫌だなぁと思ってたら、まさかの展開で、これもまた好き。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山本文緒さんの本は一気読みに丁度いい。
ある意味頭を空っぽにして読める話だと思った。
初めは深文と姉の関係が私と実姉のようだなと思い、共感する部分が多かった。深文の性格は、「他人に何を言っても無駄」だと思い込んでる性格でかなり厄介だった。その性格を、横領事件から岡崎、日比野、そして天堂によって少しづつ変えられていった。こういう変に達観している人こそ病気になったりするものなんだなあと思った。ハワイに行かなかったのは意外だった。

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2024年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 長い前奏に続く懐メロを聴いているような感じでした。鈴木深文と天堂義明の「おさまり」に納得です。山本文緒「パイナップルの彼方」、1995.12発行。4日かけて味わいましたw。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それなりに上手に世渡りしていたつもりが、中途半端なポジションの取り方でだんだんと破綻の方向に向かっていく...
家族に馴染めなかった自分、どこかいつも他人事で親身になりきれなかった自分、真に大切なものがわからない自分...
一度落ちた人間が、現状を見つめ直し、自分の力で再び歩み出そうとする物語。

どこか人のことを馬鹿にしている深文にイライラしながらも、ただ成り行きに身を任せて世の中を泳いでいるところが自分と重ねてられて、なんとも言えない気分になった。
最後は大切なものをつかめて良かった。

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2023年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『自転しながら公転する』ほどの衝撃は感じられなかったが、主人公がどんどん転落していく展開が辛かった。
でもどんなに落下しようがそこから這い上がって、自分なりの答えを出せた深文は逞しいなと思った。

この作品が出版されたのが平成7年。
「結婚することが女性の幸せ」という考えに侵食されていた世の中だったんだね。
ほんとに疑問なんだけど、どうして「結婚=幸せ」に結びつくんだろう。
愛されていると思えるから幸せなの?
ひとりじゃないから幸せなの?

どんな道を進もうが自分が納得している生き方ができればそれが正解なんだ。
「いろんな生き方があっていいんだよ。」
深文がそう言って勇気づけてくれた気がした。

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2023年01月30日

Posted by ブクログ

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親のコネで信用金庫に就職し、上司や後輩と適当にうまくやり、短大時代の親友たちとも恋人とも自分の生活を侵さない限り程よい距離感で一人暮らしを謳歌していた。それが少しずつ崩れ突然大瓦解。この自分ではうまくやってるそばに忍び寄る不穏な雰囲気がすごくうまい。
また突然ハワイに行った月子、子供も置いて実家に帰りさらにはハワイへ行くなつ美、口先男の岡崎などの脇役人が面白い。

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2022年03月16日

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