あらすじ
3分で読み切れるショートストーリー。読み終えてから3分後!後から怖さが追いかけてくる鳥肌作品を収載。何が怖いのかを考えながら読み進める「怪談」読み物でありながら、「謎解き」の一面をも持ち合わせています。
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Posted by ブクログ
いつもの日常。でもなにか少し違う気がする。それが何かはわからないけれど、多分何か非日常的なことが起こる。それがいいことなのか悪いことなのかはわからないけれど……。
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汐文社から出ているイミコワ系の本の第一期の二巻目。これでこのシリーズはとりあえず読み終えた。今回も怖い話、暗号によるギミック付きの話など色々な話が楽しめた。長さもちょっと怖い目にあいたいなというときには程よい感じである。
お気に入りの話は「まえぶれ」、「遺品整理」、「廃ホテル」。これは読みながら情景を思い浮かべて鳥肌が立った。何とも言えぬ不気味さである。ここで書かれた情景が今後起こるよくない事の前触れであるなら、よほど邪悪な何かがこの土地に流れてきたに違いない。何とも身震いする話だった。「遺品整理」は祖父の遺品とその遺品に隠された因縁めいた物に関する怖い話。語り手はその遺品に何か感じるものがあったのか、はたまた因縁に引き寄せられたのか分からないが、変な因果に組み込まれる事態にならなければいいが。
しかし、手をくわえられたその物というのはなんとも気味が悪い。「廃ホテル」は実際には見舞われたくない恐怖体験。廃ホテルに肝試しに行くこと自体がそもそも嫌だが、そこで起った怪異もなかなかなものである。語り手達はなかなか冷静だが、私だったら衝撃の新事実を知った時点で脱兎のごとく逃げ出している。この認識の中にまで入り込んでくる怪異怖すぎる。全体的に恐怖度が高かった印象。3分で怖い体験ができるなんていい時代になったというものだ。引き続きこのシリーズの第二期を読み進めていこうと思う。