【感想・ネタバレ】人生は結果オーライ! 12巻のレビュー

あらすじ

時空を超えて、逢いたい人がいる…

タイムスリップ体質のセイと天才ショパニスト比呂志の、時空を超えた至福人生。
ショパンツアーを機にピアニスト活動を再開した比呂志。
至福深まる中、比呂志の指を手術する話が持ち上がり!?
感動の完結第12巻! 至福の番外編『ずっと いっしょに』4P、必見です♪

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Posted by ブクログ

◇あらすじらしきもの
 時空を行き来する力を持つセイと、事故で指に怪我をしたピアニスト、比呂志(親鳥と雛)の物語最終巻。

 ピアニストとして復帰する比呂志のもとに、手術で指が治せるという朗報が届く。
 喜ぶ二人は、最高の状態に近づけるためには治療時のカルテが必要だと知る。
 保存期間を過ぎて破棄されてしまったカルテを入手するため、セイは、最後の時空の旅に出るのだが・・・。
 
◇感想的なもの。
 原作者のこれまでの作品的にハッピーエンドが予測できることで、ドキドキしながらも安心して読める最終巻。
 見所は大別して2つ。
 比呂志のピアニスト復帰と、セイの最後の時空移動です。

 指が動かない為に完璧に弾けない曲が多いことを気にして、事故以降タレントに転向していた比呂志が「どこでもいいから弾きたい」と述べるシーンは、静かな美しさがあります。

 「完璧ではないから美しい」と彼が続けるその瞬間は、作画の繊細さもあって説得力に満ち。
 セイに出会ったことで比呂志は変化したんだなぁ、としみじみしました。
 また、登場人物の感動を通して、比呂志のピアノの音色に触れた気がしました。
 漫画という二次元媒体から音楽が聴こえることはありませんが、だからこそ漫画は創造力を媒介に音楽を奏でることができる、という一つの実証的な作品と位置づけてみたり。

 時空移動については、常に「待つ」立場にしかなりえない比呂志と、彼を大切に思うがゆえに過去に飛ぶことを決めるセイという対比がうまく描かれていました。
 2年間を孤独の中で過ごすことになってなお、比呂志のショパンが一緒だ、と言い切るセイはとても綺麗でした。
 何もかもが主人公たちに都合のいいように収束するラストは、人生は結果オーライという看板に偽りなし、と言った感じのほのぼのっぷりが最高なのではないかなぁと思います。


◇絵や物語について
 まさに結果オーライ、な今回。
 盛り上げどころを外さない原作もですが、
音楽があふれるような作画が素敵すぎです。
 言葉の繊細さと作画の完成度、そして物語だからこそ創りえる美しさ。
 そういうのって素敵だと思うのです。
 もう少しひっぱってもよかったかな、とも思うのは、この物語が好きだからですが。
 だからこそ、めでたしが続いていく感じの終わり方が素敵でした。

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2010年10月10日

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