【感想・ネタバレ】君と過ごした透明な時間のレビュー

あらすじ

勉強もピアノも中途半端で挫折ばかりな高校生・中村朱莉は、熱心に絵に打ち込む同級生・染谷壮吾に憧れていた。
遠巻きに眺めるしかない片思いの毎日。そんなある日、染谷が階段から落ち意識不明の重体で発見される。
悲しみに暮れる朱莉だが、入院中のはずの染谷によく似た人物を校内で目撃してしまう。

「……俺が視えるの?」

それは幽体離脱した染谷本人だった。
失われた染谷の記憶を取り戻し事故の真相を明らかにすべく、朱莉は協力を申し出ることに。
ちょっと不思議な二人の透明な一ヶ月が始まる――。

魔法のiらんど大賞2020 小説大賞〈青春小説 特別賞〉受賞!
夏の終わりを告げる切ないラストに心打たれる純愛青春ストーリー。

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Posted by ブクログ

勉強もピアノも中途半端な高校生・朱莉は、ほとんど接点がないながらもふとしたことをきっかけに、熱心に絵に打ち込むクラスメイト・染谷くんに惹かれていた。
そんな中、染谷くんが校内の事故で意識不明になってしまう。ショックが抜けないまま、入院中のはずの染谷くん(幽体離脱した本人)を目撃した朱莉は、染谷くんが元に戻れるように尽力する。朱莉以外には幽霊体の染谷くんは見えない。そんな不思議な日々が描かれる。
熱中して打ち込めるものがあるって素敵よね。だんだん2人が親しくなっていく様子が微笑ましい。最後、染谷くんが元に戻る直前と戻ってからの場面は切なさも甘酸っぱい感じも温かみもあってよかった。学生、眩しい。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

まっすぐ響く青春(恋愛)小説で、読んでいると眩くて羨ましくなる。
好きなものがあるというのはやっぱりいいな。それが人にどう思われても関係なくて、好きなだけですごいことだな、と。夢中になるものがあれば、強くなれる、かもしれない。
そんなことを感じさせてくれる。
そして、透明でも見えなくても記憶になくても、そこにあったことはなくならない。そんなふたりの未来を感じる終わりだった。

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2021年11月29日

Posted by ブクログ


とまとちゃんの描く高校生活はなんだか身近な感じがして好きなのです。
いや、私自身は高校生活とはだいぶかけ離れてますけども。でも、あの頃自分が味わった感覚にとても近いものを感じます。

自分の好きなものが明確になってる人って、揺るがないから素敵に見えるんだよね。
でもそれに気づいて、『素敵だね』って言ってあげられる子だって同じくらい魅力的だなとおもうのです。

朱莉も染谷もそれぞれに素敵なところがあって、それを補い合うように過ごしているのがとてもいとおしかったです。

誰かを好きになることも、もちろん素敵なことだけれど、それ以上に自分のことを好きになったり自分が好きなものを自分で見つけることも大事なことだと大人になったわたしは知っているのよ。

ふたりは、これからどんな話をして、どんな時間を過ごすのかな。
まわりがなんと言おうと、好きなものを好きだと言って楽しいことを楽しいと言って、青春の日々を愉快に過ごしてほしいものです。

わたしもわたしの顔をこっそりスケッチしてくれる美術部の友達欲しかったよ…いや、そもそも美術部なかったけど。

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2021年10月21日

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