【感想・ネタバレ】愛を知らない君へのレビュー

あらすじ

幼いころに孤児院にあずけられたアナ・スノーは、出生について何も知らず育ち、大人になった今は孤児院の教師をつとめていた。ある日、彼女は故リバーデール伯爵ハンフリー・ウェスコットが自分の父親であり、母の違うきょうだいもいることを知らされる。自分に家族がいるとわかって喜ぶアナだったが、一族や社交界は莫大な財産の相続人として現れた彼女を歓迎しなかった。
ネザービー公爵は、親戚である伯爵家のあらたな一員となったアナの後見人をつとめる羽目になる。退屈な人づきあいや面倒を疎んできた彼にとっては億劫なことだったが、ウェスコット家の集まりの中で毅然としているアナには大いに興味をひかれ……
メアリ・バログの待望の新シリーズ《ウェスコット家》始動!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【ネタバレ有り】

The Westcott Family Series一作目
孤児院育ちの女性×公爵

電子書籍の説明文で「??」となった私。
孤児院育ちの庶子とおぼしき娘が何故莫大な財産の相続人に?

読み進めていく内に、「ええーーー」な感想でした。

亡くなった父親(伯爵)が儀礼称号の子爵だった頃、保養地のバースで出会った娘と「特別結婚許可証」を用いて結婚するも、その妻が亡くなる前に財産家のお嬢さんと「重婚」していたという、どうなのな話。

確かに身分を隠せば最初の妻にも上流階級の人々にも重婚ばれない……かというと、バースで上流階級の知人に遭遇したらどうするのかと思ってしまった私。

何にせよ、ヒロインの亡父ハンフリーのせいで、多くの人々の人生が狂ってしまったという……ハンフリーは業火に焼かれるべきですな。英国国教会に業火があるかは知らないけれど。

とにかくそれまで上流階級で伯爵夫人・儀礼称号の子爵・伯爵令嬢(レディ)として生きてきたヴァイオラ・ハリー・カミル(私は伸ばさない方が発音しやすい)・アビゲイルは称号を剥奪され、上流階級からout。
一方、ヒロインのアナ(アナスタシア……アナステイジア?)は正式な娘として祖母おば達から指導を受けることに。

このアナがロマンス小説のヒロインらしく頑固でね。それまでの孤児としての人生を否定したくないからなんだろうけど。
同作者のイヴの方が好きかな。

アナのことで褒めたいのは流行に流されずシンプルなファッションを貫いたことと、亡父の重婚のせいで庶子にされてしまった異母弟妹達を気遣うところかな。
終盤でバースに住む異母妹達を訪問するのだけど、(割愛したけど、ヒーローとの結婚後)異母妹達の母方の祖母キングスリー夫人がアナの服装のシンプルさに触れていたから、多分アナがおば達の意見に従ってごてごてファッションにしていたら、軽蔑されていたんじゃないかな。

私的にNGだったのは、孤児院から連れてきた侍女と従僕のふたりが型破りすぎること。
もっと上流階級の則を学んで欲しい……。
でもそれだとヒーローがつまらながるのかな。

次のカミル達の話が楽しみ。
あと最後までアナに辛辣だったヒーロー妹ジェシカの気持ちも分からなくはない……ああいう存在も必要なんだよね。

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2021年10月28日

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