あらすじ
入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。
大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。
宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。
水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。
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Posted by ブクログ
姉の死の真相を探るために後宮入りした商人の娘が活躍するライトミステリー。
なんだか似たような設定のお話を前にもいくつか読んだなあと思った。
なんというか後宮とか宮中とか言うとミステリーおおすぎじゃないだろうか?
まあ、後宮→事件→ミステリーと言う図式で、後宮とミステリーの親和性高すぎだろうと^^
まあ、でも楽しく読めたので良かった。
驚いたのは、この作品があの『ひとつ海のパラスアテナ』や『アリクイのいんぼう』の作者の作だと言う事。
今までの作風にはまったく当てはまらなくて、こういうお話も書かれるんだあと思った。
物語はたくさん謎を残した形で終わったので、続巻があるのだろうか。気になる。
Posted by ブクログ
これから面白くなりそう、という所で終わってしまった。解決してないじゃんw
真犯人は誰だろうってことで続くみたいだけど、後宮にいて、皇太后よりも権力を持つって言ったら皇帝しかいないじゃんね……とか思ってしまった。まあ、そういうことなのかな。メインは文青のようだし、現皇帝を追い落として行くお話になるのかもしれん。
Posted by ブクログ
中華風の後宮話だが、脳内イメージは寧ろヴェネチアに近かった。
水の街で、足代わりに船が頻繁に行き交っている。
でも、中身は後宮らしくドロドロとした嫉妬と陰謀が渦巻く街である。
水鏡と文青の関係性が本編では中盤以降にならないと見えてこないのだが、粗筋に酷いネタバレがあるのが少し残念。
あの二人どうなっているんだ!?とヤキモキするのも、この作品の楽しみの醍醐味だと思うので。
商人の娘かつ姉の死の真相を探るためにやってきた水鏡が主人公なので、後宮内では変わり者の立ち位置で様々な事件を解決していく。
ミステリ部分が予想よりしっかりとした内容だったことに非常に驚いた。
しかも次から次へと事件が起きるので、落ち着く暇もない。
それだけ多彩な事件、しかも本格的な謎解きができる事件が起きるので、ミステリとしてもしっかり味わえる作品。
次第に協力者も増えていく水鏡。
ただ姉の死の真相が見えてきて、黒幕にももう少しで手が届くというところで、まさかの展開。
完全解決とはいかず、寧ろ姉の死の真相については、更なる謎が出てきて終わるという。
これは、続きを想定した話か。
水鏡と文青の不思議な関係性の進展も欲しいところだし、是非続編を期待したいところ。
少なくとも、あの黒幕と後宮で好き勝手している某妃を引きずりおろすところまでは見たい。
黒幕も悪役もまだ跋扈している後宮なので。
更なる解決編、お待ちしております。