【感想・ネタバレ】銀座琥珀屋雑貨店 神様と縁結びのレビュー

あらすじ

時は大正。わけあって東京に逃げるように出てきた18歳の弓子(ゆみこ)は、自立した女性に憧れて張り切って仕事を探すも、門前払い続き。
そんな折、銀座の裏路地の小さな欧風雑貨店の求人を見つける。

ガラス小物などが所狭しと詰め込まれた、宝石箱のようなその店――琥珀屋雑貨店は、美しいが傲岸な店員・間 靖之(はざま・やすゆき)と、彼にかしずく店主の秋成伊三郎(あきなり・いさぶろう)という妙な男性2人が営んでいた。

商品に“縁結び”の力が宿るという不思議なこの店で働く中で、弓子は「縁」をめぐる不思議な事件に出会い、大切な想いを知っていくことに……。

孤独な神様と訳あり少女。一生ものの、運命の恋と縁の物語。
切なくも温かい、大正お仕事ファンタジー!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

弓子も間さんも秋成もなんかとてもいい雰囲気。
間さんがだんだん弓子に絆されていくところがとても好き。

0
2021年09月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

弓子さんの身の上、間さんや秋成さんの身バレが思いのほか早かったので驚いた。
その辺りの真相解明は、終盤まで引っ張るものかとばかり。
寧ろ、彼らの正体や、弓子さんが故郷であったことが発覚してからが物語の本番といった感じ。
個人的には前半と後半の二部構成の話と思って読んだ。

琥珀屋が結ぶ縁は、自らきちんと望まないと誤った方向へ進んでしまうもの。
前半は、縁結びのための品を買った人の心持ちが曲がっていたために結ばれた縁も拗れてしまった話だったと思う。
後に弓子さんの親友になる紫乃さんが結んだ縁は完全に切れず、次に繋がる形になったのには安心したけれども。

ただ後半になるにつれて、買った本人に間違いがないにも関わらず暴走し始めて、不穏さを増していく。
縁を結んでいる間さんや、品物を売る弓子さんが慣れてきたところで、どうしてこんな問題が?
それはある神様へと通じる話になっていく。

その神様、作中オリジナルの存在ではない。
現実世界でもある意味信奉者がそれなりにいる神様ではなかろうか。
信じる者が多ければ力も増すというのは、この物語の中でも通じる話で、そうなるとこの神様が背負っていたものは本当に重いものだっただろう。
きっと現実世界のわたしたちも、この神様に色々押し付けているのではないか。
少しばかり反省したくなった。

ネタバレが過ぎるので詳細は割愛するが、暴走した神様でも弓子さんは縁を切らなかったし、間さんも自分の役をしっかり果たした。
あれだけ序盤は自主性のなかった間さんなのに、こんなに立派に成長するとは。
一番成長したのは、彼かもしれない。
秋成さんと一緒にニヤニヤ見守りたくなるほど。

でも、間さんを変える要因となったのは間違いなく弓子さんだから、頑張ったのは彼女か。
ゆえに、最後の展開はそのご褒美だろう。
お互いいい縁を結べたようだし、その調子で琥珀屋にもいい縁を招いて欲しいと思う。
今の二人+秋成さんなら、きっと大丈夫。

0
2021年10月09日

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