あらすじ
団結や同調を鼓舞する、いかなる装置もクソくらえ!
目標設定や効果検証より「みんながんばろう」ばかりを主張する政府、グローバル・キャピタリズムを推し進めるエスタブリッシュメントたち、PCR検査をケチってGo Toキャンペーンに1兆3500億円、マジョリティの尻馬に乗った弱者バッシングだけが生きがいの人々、「日本すごい」の大合唱を続けるマスコミやネトウヨたち――日本列島ならぬ「日本劣等」に暮らす我々に必要なのは、何物にも流されない、共感しない能力だ!人気生物学者が直言する、唯一無二の辛口批評。
1)日本の幻想
生きた証
組織に忠誠を誓うのはなぜか
日本の下級国民の多くはなぜここまで従順なのか
囲碁、将棋、スポーツ、オリンピック
スポーツは危険・取扱注意ということについて
2)おコトバですが
感情に訴える言葉に共感しない能力を磨く
敬称の文脈依存性について
自然言語は定義できない(概念は実在しない)
首尾一貫性という呪縛
3)コロナ狂騒曲
一所懸命は危険だ
コロナ禍で分かったムダの効用
チフスのメアリーとコロナのジョン
厚労省の利権がらみでPCR検査が進まない
コロナは社会システムを変えるか?
4)思い込んだら百年目
人為的地球温暖化という似非科学を未だに信じる人々
人為的温暖化とは無縁な台風の被害
ビーガンという倒錯
多様性ってなんだろう
「役に立つ」とはどういうことか
5)閑居老人のよしなしごと
家庭菜園に来る害虫たち
老人閑居してよしなしごとを考える
私がいじめられなかったわけ
埋葬と墓に関するいくつかの話
物々交換の過去と未来
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
池田先生が言いたいこと言いまくる本。面白かった。今後は地球温暖化とかCO2削減って聞いたら鼻で笑ってやろうと思う。ホモサピエンスにネアンデルタール人の血が混じったから寒さに耐えれるようになったって言うのは勉強になった。
Posted by ブクログ
明石家さんまさんMCの"ホンマでっか!?TV"に出演の池田清彦さん著の本です。ネトウヨ、マスメディア、気候変動、コロナウィルスやヴィーガン等、TVやネットで度々議論がされる事柄について、論理的ですが池田さん独特の軽い口調で解説されており、とても読み易い本です。(勿論、全てに同意出来る筈も無く懐疑的になる箇所もありますが。)
もっとテレビに出てきて色々な人と議論して欲しいんだけどな~。
Posted by ブクログ
暮らしが苦しくても、政府に従順な国民。理性より感情に訴える与党。早稲田大学名誉教授の人気生物学者が、疑問に感じる様々な問題を、縦横無尽に批評する書籍。
日本の国力は、年々低下している。
スイスのビジネススクールIMDが発表する「世界競争力ランキング」で、日本は1989~92年には1位だったが、2019年は30位まで落ちた。
安倍政権は、富めるものはますます富み、貧乏人はますます貧乏になる政策を進めた。
だが、政権を支えた自民党と公明党は選挙で大敗しなかった。それは、多くの国民が、消費税の増税をはじめ、あらゆる政策を自然現象のようにコントロールできないものと考え、諦めているからだろう。
権力者とそれに繋がる資本家たちは、オリンピックを開催したがる。なぜなら、権力者は国威発揚のプロパガンダに使うことができ、IOC、広告代理店、土建業などの人々には多大なメリットがあるからだ。その原資は、ほぼ税金である。
民主主義がポピュリズムに席巻されて以来、政治家はいかに有権者の感情に訴えて選挙に勝つかに腐心するようになった。特に国が落ち目の時は、権力者は仮想敵国を作ったり、自国の優位性を喧伝したりして、ナショナリズムに訴える。
多くの人が「人為的地球温暖化説」を真実だと信じている。
それは、マスコミは危機を煽る科学者の声だけを紹介し、反対意見の科学者の声を無視しているからだ。実際には、世界では人為的地球温暖化説は怪しいと考える科学者が増えている。
気候変動を予測する研究は、人為的地球温暖化説に都合がいいデータを出した科学者には潤沢な研究費が流れる、というように、科学というよりも政治になってしまった。