あらすじ
出生の秘密のせいで嫁ぐ日の直前に破談になった有爲子は、長野県諏訪から単身上京する。戦時下に探偵小説を書くことを禁じられた横溝正史が新聞連載を続けた作品がよみがえる。著者唯一の大河家族小説!
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Posted by ブクログ
こうなったらいいな、もしかしてこの2人は、と、読みながら沸き起こる疑問が、見事に予想通りの展開になるから、読んでいてストレスが少なかったです。もちろん、やきもきするような仕掛けもたくさんあって、久しぶりに読書の醍醐味を感じました。
登場人物みんなが魅力的。特に仁吾さんの描写はまるで金田一さんそのものなのに、全く違う人物で思わずニヤニヤしてしまった。
木の実さんと山崎先生の仲がどうなるかも楽しみ。
楓香先生の秘密はきっと……
仁吾の魅力が途中で少し霞んだように感じるのは、思い入れ過剰だったかな?ういこちゃんに感情移入しすぎてしまったかも。
横溝先生の鬼気迫る、書くことへのエネルギーたるや。そして苦悩の大きさはこれ程までに人の輝きを曇らせるのだと気づき切なくなる。
りえこ夫人がどうなるか気掛かりでしたが、読み進むにつれ、人は成長し変化すると言う、作者の温かな眼差しを感じました。
読後、希望と言う芽吹きが感じられて、清々しい気持ちになれました。読んで良かったです