あらすじ
「無味乾燥な記録にも、そこには生きた人間がいた。例えば新聞の片隅の記事、自殺者数の統計にも――」
椥辻霖雨は京都の大学で教える社会学者。犯罪を専門に研究する、若き准教授だ。
霖雨のもとにある日、小さな同居人が現れた。椥辻姫子。14歳、不登校児。複雑な事情を抱える姫子は「死者が見える」らしく……。
頭脳明晰だが変わり者の大学教授と、死者を見、声を聞き届ける少女。二人の奇妙な同居生活の中、ある自殺が起きる。そこは住人が連続死するという、呪いの町屋で――。
大ヒット中、究極のサスペンスミステリシリーズ『破滅の刑死者』の著者による待望の最新ミステリ!
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Posted by ブクログ
【収録作品】プロローグ/幽霊の見える同居人/自死と殺人/孤独な21グラム/助けを求めたのは誰か/エピローグ
犯罪専門の社会学者・椥辻霖雨は、叔父の家で同居することになった不登校の中学生・椥辻姫子の頼みで、近所で起きた自殺事件を調べることになる。
他人は他人、その考えはわかるはずがない。それを認識した上で共同生活するのが社会、という主人公のスタンスや考え方には共感する。みんながそれをわきまえれば、よほど生きやすい世の中になると思う。
ただ、「やむなしなこと」と「面白い」と言った後にいちいち、「興味深い」と言いかえるのは、極り文句でのキャラづけなのだろうが、頻発しすぎでうっとうしい。